目覚め
あなたは目が覚めると病室のベッドにいます。
いや、正確には手術室です。
頭痛が酷い、体が思うように動かない。
そんな状態であることに気がつきます。
仙櫁暁
「………」
目を開けてぼんやりしている。
ここはどこだろう、と思うだろうけど
横たわったまま周囲の様子をうかがっています。
KP
では、貴方が様子をうかがっていますと、扉が開きます。
一人の男が入ってきますね。
男 「気が付いたようだね。私は医者だ。君は落雷に遭って、病院に運ばれた。覚えているかい?」
仙櫁暁
(医者……)
覚えていますか?
男 CCB<=70 【アイデア】
仙櫁暁 1d100<=90 【アイデア】 (1D100<=90) > 41 > 成功
男 CC<=70 【アイデア】 (1D100<=70) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 48 > 48 > レギュラー成功
仙櫁暁 CC<=90 【アイデア】 (1D100<=90) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 10 > 10 > イクストリーム成功
<アイデア>成功 強い光を浴びた記憶があります。ですが、それ以前の記憶はありません。
KP
常識など、社会的に生きるための記憶以外すべて忘れていることに気が付きます。
あなた自身に関する記憶が抜け落ちているようです。
仙櫁暁
「医者……?
そうですか」
「すみません。ほとんど何も覚えてなくて……
強い光を浴びたかも、くらいは覚えてるんですが」
男 「……ふむ。では、名前は? どこに住んでいたかとか、そういったことは覚えているかい?」
仙櫁暁
CC<=65 【幸運】 (1D100<=65) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 76 > 76 > 失敗
「……わかりません」
「名前も、どこに住んでいたかも……いまいち」
男 「……そうか。君自身に関する記憶を失ってしまっているようだね」
仙櫁暁
「そうみたいです。
ほかのことは覚えているので」
男 「これは検査が必要だな。体も本調子ではないかもしれないが、しばらくすれば、動けるようになるだろう」
仙櫁暁
「検査……」
「その……雷に打たれたので体に不具合が出ているということですか?」
仙櫁暁 というか生きてるのが普通なのか……?
男 「そうだね、おそらく。動けるようになるには、数日は様子を見た方が良いだろうな」
仙櫁暁 一般常識はあるから「仕事……」とか考え……るのか? どうだろう
男 「約束はできないが、記憶もそのうち戻るだろう。3日間ほど、ここにいてもらいたい」
仙櫁暁 自分が今何歳かという感覚もないから思い至らない…?
仙櫁暁 「三日間」
男 「ああ、三日間だ」
仙櫁暁 「……今日は何曜日でしょうか」
男 「今日は土曜日だね」
仙櫁暁
「土曜……」
(それなら…… とおもうかもしれない)
男 「日付もあいまいかな、ああいや、それとも意識のなかった時間を思ってのことかな」
仙櫁暁
「全く覚えてないのですが。
やっておくべきことがあったら……困るので
仕事とか、学校とか」
「土曜なら、まだ、と」
男 「ああ、そうか。君は、雷に打たれたというのにまずそこを気にするんだね」
仙櫁暁 「………確かに」
男 「流石に明日すぐに、は約束できない。すまないが、無理はしないでくれ」
仙櫁暁
「……わかりました。
いずれにせよ、このままでは……何もできないみたいですから」
「……先生、どうぞよろしくお願いします」
男
「ああ、どうぞよろしく頼むよ」
「……とはいえ、まず一点謝らないといけない」
仙櫁暁 「なんでしょうか」
男 「ここは見ての通り手術室なんだが、他に部屋が無くてね。物々しくて申し訳ないが、三日間、ここで過ごしてもらうことになる」
仙櫁暁
「手術室で……
かまいませんが、それは逆に大丈夫なのでしょうか。ほかの急患があったときなどは」
仙櫁暁 本当に医者なのか疑惑もある
男
「ああ、それは大丈夫だ。ご理解有難う」
「さて、話が出来る状態まで回復しているようだし、せっかくだからこのまま少し、話をしようじゃないか」
仙櫁暁 「話…… はい。かまいません」
男
「よかった、有難う」
「会話、というのは数珠つなぎになされるもので、インプットとアウトプットを兼ねる。君の記憶を取り戻すきっかけになるかもしれない」
「……ではそうだな。折角だし議題をだそう」
「君は、『囚人のジレンマ』という言葉を知っているだろうか? つまり、覚えているだろうか」
仙櫁暁 思い出せない…… ゲーム理論でしたっけ
仙櫁暁 「……ゲーム理論でしたか」
男 「ああ、そうだ。覚えているんだね。内容までは知っているかな?」
仙櫁暁
「利害関係にある相手と自分のそれぞれの利益を考えて、最適な行動を決めるための思考法
……です」
「囚人のジレンマは、二人の人物の選択によってそれぞれの最大の利益が変化するため…… 理論上はわかっていても実際に実現しうるかは難しい……ですね」
男 「ああ、そうだ。では説明はいらないかな」
仙櫁暁
「今お伝えした内容で間違いがなければ」
頷…けない
男
「単純に言ってしまえば、例えば君と私が囚人だとして、黙秘するか、自白するかを選択できるというやつだ。この表を見てくれ」
「囚人Aが黙秘、囚人Bも黙秘なら、懲役はお互い2年だけだ。
囚人Aが黙秘、囚人Bが自白した場合、囚人Aは10年、囚人Bは0年の懲役となる。
囚人Aが自白、囚人Bが黙秘した場合、囚人Aは0年の懲役、囚人Bは10年の懲役となる。
囚人Aが自白、囚人Bも自白した場合、お互い5年の懲役となる」
仙櫁暁
「はい。私が自白するか、黙秘するか、選択せよということでしょうか」
ぼんやり表を眺めている。
男 「そうだね。思考の、話のきっかけのようなものだよ。折角だから、私も一緒にこたえようか。黙秘か自白、きまったらせーので言ってみようじゃないか」
仙櫁暁
「わかりました。………」
考えている……
男 「決まったら教えてくれたまえ」
仙櫁暁 うーん…………………
KP いっぱい悩んでいってね!
仙櫁暁 私は割とさらっと答えを出すでしょうけど、中の人がもちゃもちゃしてるのよね……
193 INT19と脳の処理速度を比べちゃならんよね…
KP 時間が簡単に止められる、それがTRPGですね
193 この間、2秒――
仙櫁暁
「………」
医者の顔をじっと見ている。
「決めました」
男
「そうか、じゃあせーので言おう」
「せーの」
仙櫁暁 「黙秘します」
男 「自白」
仙櫁暁 「おや…… 負けましたね」
男 「ふむ、では私は0年、君は10年となってしまうな」
仙櫁暁 「……そうですね」
男 「君はどうして黙秘を選んだのかな」
仙櫁暁 「協力ゲームだと仮定したので」
男 「ふむ。確かに、私と君が共犯である、という仮定はある。二人が黙秘を選べば、二人で最小を選べるわけだ」
仙櫁暁
「はい。それに……私は患者で、先生は医者で……
この状況を改善するには協力していただく、あるいは協力する必要がありますから」
「そういう先生はなぜ自白をお選びに?」
男
「ふむ、君は協力関係を重視するんだね。そしてこの内容をあくまでゲームとして見ている。確かに、ゲーム理論と考えるとそれが最適だろう」
「私はどちらかと言うと、思考実験としてこの題材を見ていてね」
「もしも、の仮定の方を重視した。それだけだよ」
仙櫁暁
「なるほど。
この状況をどうお考えか……参考になります」
男
「はは、まるで私の方が面談を受けているようだね」
「君はゲーム理論として、ロジカルに考えることが自然な人なのかな。興味深い答えだ」
仙櫁暁
「ご不快でしたらすみません」
「どうでしょうか?
考えることは苦手ではないようですが」
男 「いや、不快ではないよ。むしろ私が会話を望んだのだから気にしなくていい」
仙櫁暁 「そうですか。それは……安心しました」
男
「それにしても、ふむ。君にとってはあくまでこれはゲームで、例えば罪の意識だとか、共犯者への仲間意識だとか、そういったものは特に関係のないものなんだね」
「そういったものはあまり考えない人だったのだろうか。あくまでロジカルに、そのものの本質でとらえる人間」
仙櫁暁
「そうでしょうか?
案外、ちょっとしたことにメタファーを仕込んでみたりもしますよ。余裕があれば、ですけど」
男
「ふむ、では今は余裕がないのかな? それとも私が気づけないだけか」
「まあ余裕がないといえばこの状況ならあたりまえだし、私が気づけないと言えばまあすまないとしかいいようがないが」
仙櫁暁
「そうかもしれません。
あくまでそれらしくやってみているだけなので……慣れているわけではないみたいですね」
193 メタファーを仕込むなんて慣れてないょ の意です(中の人が
男 「体調がよくなって、君の本来の言葉を聞けたらいいと思うが、そこは私の腕ともいえるか」
仙櫁暁 「そうですね。頼りにしています」
男
「その言葉にこたえられるよう頑張ろう」
「……とはいえ、今日はこのあたりにしよう。そろそろ私も、他の患者をみに行く必要がある」
仙櫁暁
ほかに患者がいたのか……
「ほかの患者、ですか。
ここは結構大きな病院なんですか?」
男 「大きければもう少し病室があったのだがね、それなりに整ってはいるが、迷惑をかけるよ」
仙櫁暁
「いえ。動けない以上できることもないので……
気になさらないでください」
男 「有難う。では、失礼するよ」
KP そういうと男は、部屋から出ていきます。
仙櫁暁
「はい」
見送っておきますね…
KP
あなたは今、手術室のベッドの上にいます。体が重い。
手の届く範囲であれば、気になったものを調べることができそうです。
仙櫁暁
(医者か………)
………
(無理はするなと言われたけど、いずれリハビリもすることになるだろうし。
ちょっとくらいは……)
トレイの方を見てみます。手術器具…?
KP
【トレー】
ベッドのそばにある台の上には、器具が並べられている。刃物の類は無い。
仙櫁暁 CC<=80 【目星】 (1D100<=80) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 16 > 16 > イクストリーム成功
KP およそ手術に使いそうにない、器具というよりは工具が置かれていることに気が付く。
仙櫁暁
(工具……?
ここは手術室だったような)
(これを私に……使った、ということだろうか)
首をかしげながらモニターの方も見てみます。
KP
【ベッドサイドモニタ】
ベッドのそばには、患者の心拍数や血圧などの異常を教えてくれる装置がある。このような機器が出されているということは、非常に危ない状況だったのだろうか。
97と98という数字が画面に表示されている。その数字が何を意味するのかはわからない。
仙櫁暁
CC<=80 【目星】 (1D100<=80) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 84 > 84 > 失敗
(妙な番号)
誰かの声 「……誰か、いるの?」
仙櫁暁 患者番号(??)だとして二つある理由…?
KP ふと、隣の部屋からそんな声が聞こえてきます。
仙櫁暁 「………? はい、います」
誰かの声
「あ、よかった……って、よかった、じゃないよね、ごめんなさい」
「えっと、えっと」
「私、隣の部屋、にいるの」
仙櫁暁
「なるほど。
私は今日から隣室になりました。名前は……今は思い出せませんが」
誰かの声
「え」
「おねーさんもなんだ」
仙櫁暁 「その口ぶりではきみもですか?」
誰かの声
「あ、えっと、ごめんなさい、ちがうの」
「わたしは、おぼえているの」
「でも、えっと、その部屋にくるひと」
「みんな記憶がないって、言うから。おねーさんもなんだ、って思って」
仙櫁暁
「なるほど。特異な症状の患者を収容する病室なんでしょうか。
病室というか、手術室ですが」
「君は長くこの場所にいるんですね」
誰かの声
「あ、うん。私はずっと、入院しているの」
「だから、人とおしゃべりも、あまりできなくて。……おねーさん、私とお話、してくれる?」
仙櫁暁
「かまいません。
実は体がろくに動かないので、おしゃべり以外には何もできない状況で……こちらこそお願いしたいくらいですよ」
誰かの声
「わ、やった! ありがとう!」
「あ、でも、動けないの、たいへんだもんね。よろこんじゃ、だめ……ごめんなさい」
KP 嬉しそうな声の後、申し訳なさそうな声が続きます。
仙櫁暁
「いえ、気にしないでください。
多分……そう、一般的には悲惨な状況だと理解していますが、いまいちピンときていなくて」
誰かの声 「ひさん」
仙櫁暁 「私自身現実味がなく……だから悲しんだりつらいという気持ちもないので ほんとうに」
誰かの声 「ええと、んと、ありがと。わたしも、ちょっとわかるよ」
仙櫁暁
「ああ、なるほど。
つまり、わたしはいまつらくもくるしくもないので、きみも私がそのような気持ちでないかと気にする必要はない、ということです」
誰かの声
「わたしも、ずっとここにいて。うごけないけど。つらいよっていうより、たくさん、たくさんおしゃべりしたいなって思うもん」
「だからね、おねーさん、もしよかったら、病院の外のお話、して」
仙櫁暁 「病院の……外……」
誰かの声
「ずっと、ここだから。おそと、どうなのかなって思って。……でも、覚えてない? むずかしい?」
「わがままだったら、ごめんなさい」
仙櫁暁
「いいえ。知らないことを知りたいと思うのは立派な生存戦略だとおもいます。
幸いにして私には時間がありますから、いくらでも。
といっても詳しくお話しできるかは自信がないですが」
誰かの声
「えへへ、ありがとう。おねーさん、やさしいね」
「ええとそうだな、でも、なにをきけばいいのかな」
「おねーさんの好きなもの、とか、なにか覚えていることとか。あればきいてみたいけど」
仙櫁暁
「好きなもの……」
は多分覚えてないですよね?
仙櫁暁 ここでイデオロギーの話……重た……
仙櫁暁
「覚えてるだけのことならたくさんありますね。
電車とか、バスとか、飛行機とか…… これは乗り物ですね」
誰かの声 「のりもの! 乗り物、好きだったよ」
仙櫁暁 「そうでしたか、どれかに乗ったことがあるんですか?」
誰かの声
「電車と、バス!」
「ひこーきはないや。おねーさん、ひこーきのったことあったのかな?」
仙櫁暁 「乗ったことがあるか ……うーん……」
誰かの声
「……思い出したら、おしえてね」
「だいじょうぶだよ、えっとね、おとーさん、名医だから! 思い出して、退院できるよ」
仙櫁暁
「そうですね、思い出せたら……」
「お父さん?」
誰かの声
「うん、おとーさん。ここの、お医者さんなの」
「みんなのこと、なおしてあげてるの。すごいの」
「だからおねーさんも、きっとよくなって、思い出せるよ!」
仙櫁暁
「そうだったんですか。……君はあのお医者さんの娘さんだったんですね」
(しかし、だとしたら……変な場所にいるな)
誰かの声
「おねーさんの治療、も、おとーさんがちゃんとしてくれるから」
「おとーさん、必ず治す名医だって、言ってたの」
「必ず治すから、ぜったい、ぜったい治す名医だから」
仙櫁暁 おお……
誰かの声 「……わたしのことも、ちゃんと、治してくれるって」
仙櫁暁
「………」
「であれば、きっと治してくれるでしょう。
何があっても」
誰かの声
「うん。ずっとずっと、諦めずにがんばってくれてるの。だからわたしもね、がんばるの」
「だからおねーさんの記憶はぜったいもどるよ」
「あんしんしてね」
仙櫁暁
(詳しい病状はわからないが、そんなに長く入院しているというのなら……
難しい病気なんだろうな……)
仙櫁暁
「……はい。
きっと治してくださると思っていますよ」
誰かの声
「うん! 名医って、すごいよね」
「わたしもね、おとーさんみたいな名医になるんだ。なおしてもらったら、こんどはわたしがなおしてあげるの!」
仙櫁暁
「お医者さんですか。
それならばたくさん勉強をしないとですね」
誰かの声 「うん! 勉強、したいなぁ……」
193
こんどはわたしがなおしてあげるの…?
病気の人を…?
仙櫁暁 「……本や、タブレットみたいなものはそこにはないんですか?」
KP 言葉選びが変でしたかね。そんなかんじの意味です(治療してもらったから、今度は自分がお医者さんになって治療する、みたいなかんじ)
誰かの声
「……みえなくて」
「おっきい事故に、あったの。それから、目が、見えないの」
193
いえいえ、こう……
お父さんもなにかのびょうきなのかな…… と邪推してしまい……
仙櫁暁 解説ありがとうございます…… 良く邪推する癖があります
KP 私も滅茶苦茶邪推します(わかる)
仙櫁暁
「……そう、ですか……
それは大変でしたね」
KP 邪推はさせてなんぼですが、言葉の意味がなんかこう、日本語おかしかったかなと思ってしまって……大丈夫ならよかったです、しゅっ(消えるKP)
誰かの声
「ううん、だいじょうぶ。おとーさんが治してくれるし」
「……お父さんがずっと、諦めないでくれてるもん。だから私も、だいじょうぶ。頑張る」
仙櫁暁
「そうですね。諦めてしまったら……治るものも治りませんから」
「とはいえ、確かにその状態では、本を読むのは難しいかもしれませんね。
……ほかの手段が使えればいいんですが」
誰かの声
「うん。……でもいまは、おねーさんとのおしゃべりがたのしいから、うれしい」
「ありがとおねーさん」
仙櫁暁
「そうですか? 気晴らしになっていれば何よりです。
………」
「私の方こそ、ありがとうございます」
誰かの声
「……えへへ、えっと、どーいたしまし、て? おたがいさま? っていうのかな?」
「いっぱいいっぱい、ありがと!」
193 元気……
KP さて、そんな話をしていると、貴方は強烈な眠気に襲われます。
仙櫁暁 ねむ……
KP まだ体力が戻り切っていないようです。
仙櫁暁
「いえいえ、……こちらこそ……」ぐらぐら……
なるほど……
KP
泥のように眠りに落ちる直前、隣の部屋から、「おやすみ」という声が聞こえた気がします。
そういうわけで、おやすみなさい。
仙櫁暁 おやすみなさい……
KP
目が覚めれば、貴方は相変わらず手術室にいます。
しかし、様子がおかしい。視界が白黒になったり、チラついたり、正常では無いのです。
193 機械になっている…???
仙櫁暁
「………?」
見づらいのでよく見ようと目を凝らしている
男 「おはよう」
KP そうしているところに、医者がやってきます。医者の顔も、うまく認識できないでしょう。声は確かに医者のものですが、見た目では判断できなくなっています。
193 こわ………
仙櫁暁
「……おはようございます。
あなたは……」
「すみません、顔がよく見えなくて」
男
「……? 覚えられていない、とは違うのか。顔が良く見えない、とは?」
「目に異常があるのかな」
仙櫁暁
「そう…… みたいです。
視界が白黒だったり、チラついたり…… ……
先生の顔もモザイクがかって見えます」
男
「モザイク。……ふむ」
「後で検査をしよう。……とはいえ検査の準備があるから、少し待ってほしい」
仙櫁暁 「……わかりました」
男 「ありがとう。……会話に問題はないようだね。他に異常はないかな?」
仙櫁暁
「はい、目以外には……特に」
ちなみに相変わらず動けはしないですか?
KP 昨日よりは動けるようになっています。とはいえ無茶は禁物ですが。
男
「そうか。では、今はまず、昨日に引き続き記憶を取り戻すための話をしようか」
「検査自体は午後になるだろう。それまでは、昨日に引き続き思い出すためのきっかけづくりをしようじゃないか」
仙櫁暁 「きっかけづくり……」
男
「ああ、そうだ。少し特殊な題材で思考を重ねてみよう。君の何かにひっかかるものが、どこにあるかわからないからね」
「……さて、では君は、『テセウスの船』という言葉を知っているだろうか? つまり、覚えているだろうか」
仙櫁暁
「ある船があって……
どこかが壊れるたびに部品を取り換えていった。その船はずっとずっとそうしながら航海を続けていき……ついには船のどこにも元の船の部品はなくなってしまった。
その船は果たして、もとの船と同じだと言えるだろうか? ……という問題でしたか」
男
「ああ、そうだ。よく覚えているね」
「こういった題材はあまり知らない人も多いが……昨日のゲーム理論といい、君は博学だったのか、それともこの手の話を好む人だったのかな?」
193 (テレビで見たとはいえない――)
仙櫁暁
「……そうかもしれません」
眉間の間を揉んでいる(揉めるのか…?
男 「君が言うことに違いはない。……テセウスが乗っていた船の古いパーツを徐々に置き換ていき、結果、全てのパーツが置き換えられた時、その船は同じテセウスの船と言えるのかどうか、というパラドックスの思考実験だね」
KP (わかる……あと個人的に、オタク的な題材として有名なので私はテレビどころかオタク(漫画や小説などの)知識です、どこで手に入れたのかもおぼえてーないー)
193 ふふ…… Wikiをひたすらさまよって手に入れる知識もありますしね……
男 「君は知っているようだから、君の答えはすでにあるのかな? 君自身は、この話についてどう思う?」
KP 関連項目のリンクを飛びまくるのは楽しいです。wikiでも、全然関係なく知った単語をきっかけに専門書を漁り読むのも……
仙櫁暁 「同一ではないでしょう」
男 「ほう、理由は?」
仙櫁暁
「部品が変わっているので。
全く同じものに取り換えたのだとしても、個体差があります。個体差がなかったとしても“古かった部品”と“新しくなった部品”では強度が異なりますから」
「それと接続している部品にも影響があるでしょうね。
……究極的には、例え部品を替えていなかったとしてもそれは同一の船じゃありません」
男 「ふむ。部品を変えたからではなく、変えなくとも別の物と君は見るのかな」
仙櫁暁
「ええ。……ただ、どちらの場合であっても”テセウスの船”じゃないことにはなりません。
一定のタイミングで観測した”船”と、その後また違うタイミングで観測した”船”は同一ではない ……といいたいだけです。そういう考えもできるな、と」
「正解があるならきっとそれを覚えているので、これは答えが出ない問題なのでしょうね。
……ほしい答えに対してこじつけで考えをでっちあげるのが最適解でしょう」
男
「……ふむ、面白いね。どちらの場合であっても『テセウスの船』だが、『観測上は同一ではない』とみる。興味深い」
「はは、それに加えてこじつけとでっち上げ、というのは、中々。まだ昨日と今日ではないが、なんとなく君らしいと感じられる言葉だね」
仙櫁暁
「……そうですか?
これが回復の兆候であれば……喜ばしいですね」
男
「君がこの題材について知っていて、それなりに明確な答えがあるというのは特徴的な記憶ともいえるだろう」
「にしても、そうだな。どちらともテセウスの船と言う場合、君は何を元にそう判断したのだろうか」
「パーツが違うと定義しながら、ある一面では別物といい、ある一面では同一と言う。君の話を聞いていると、たとえば持続性の変容――人間で言うなら成長と言うべきか。そういったものによる差異を見出しながら、個は同一としているようだ。その個は、パーツには寄らず、なにに宿っているのだろうか?」
仙櫁暁
「究極的には他人がその対象物を、その過程を目にしてどう思うか、だとはおもいますけど……。
そうですね、物事には”核”のようなものがあるとして……きっとそれが変わってしまったら私はそれをテセウスの船だと呼べなくなるのでしょう」
「私は…… テセウスの船が”海路ではなく陸路、あるいは空路を行くようになったら”それはもうテセウスの船ではないのかしら、と感じます」
船ですらないが……
193
何言ってんだ?
???? ちょっとちがう んんん……?
男 「ふむ。では君は核が、そのものの役割、としているのかな?」
仙櫁暁
「”私が”、"テセウスの船"を”テセウスの船”であると定義する根拠はそうです。
核……大切な部分は見る人によって変わるので、なんとも……。所有者が変わったら、もう違う、という人もいると思うので」
なんだろう、つまり……”見る人”と"対象物"、そこに”関心の度合い”が加わってこの問題は成立するのでは……みたいな感じですね……。
男
「ふむ。君は君がどう感じるかも材料にしているのかな」
「それを呼ぶ人にもよる、というのか」
「最初の答えではあっさりした考えなのかと思ったけれど、そうではなく、いろんな視野から――多角的に見る人となりなのかもしれないね」
仙櫁暁
「……なるほど?」
自分の答えを反芻している
男
「……と、話し込んでしまったね。私は他の患者を見に行くよ」
「目の検査は夜に。もうしばらく待っていてくれ」
仙櫁暁
「わかりました。
……ほかの患者といえば、隣にも人がいるんですね。
隣室も手術室なのでしょうか?」
男
「……ああ、話をしたのかな」
「隣は病室だよ」
仙櫁暁
「結構……壁が薄いですね。
かなりはっきりと声が聞こえてきて、少しお話をしました」
男
「壁については申し訳ない。ただ、おしゃべりが好きな子でね。話してくれたこと嬉しいよ」
「よかったら、あともうほとんど時間はないが、それでも話してやってくれるとありがたい」
仙櫁暁 「時間が…ない……?」
男 「ああ、君の退院予定が明日だろう」
193 あっ なんだ ふう
仙櫁暁
「ああ、そうでした。
時間の感覚がないのでつい……」
男
「動けないとどうしてもそうなってしまうのだろうね。わかるよ」
「では、私は失礼するよ」
仙櫁暁 「はい。また検査の時に」
KP
では、会釈して男は出ていきました。
あなたは今、手術室のベッドの上にいます。相変わらず体は重いですが、昨日よりも動けそうです。
少し歩いて、気になったものを調べることができるでしょう。
仙櫁暁
(歩けるようになっている………)
積極的に動こう。おそらく横になっていてタンス(?)が気になっていたのでそれを見に行きます。
KP
【資料】
少し歩いた先にある棚には、以下のような、患者の名簿と思わしき資料が納められている。
〈名前〉 〈適性率①〉 〈適性率②〉
94% 13%
八乙女咲 13% 05%
花房圭人 15% 96%
蜂須賀迅 33% 24%
須良道子 67% 38%
佐藤勝彦 12% 03%
秋城継巳 40% 62%
空野唯武 09% 11%
鈴木華 31% 42%
仙櫁暁 CC<=80 【図書館】 (1D100<=80) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 22 > 22 > ハード成功
KP では、貴方は資料を見ていると、こんな記述を発見します。
KP
「両方の適性を持った人間が見つからない。引き続き患者から、高い適性率を持った人間を探す。」
という走り書きがありました。
仙櫁暁 モニターの数字…………
仙櫁暁
「適性……?」
「………」
ちなみに1行目は空白…? 何かがかかれていたあともないですか?
KP 空白のようです。
仙櫁暁
了解です。………
どうもうすら寒い感覚を覚えるが……
では戻りしな、ベッドの下が気になってそちらも見てみます。
KP
【加温装置】
ベッドから少し離れた位置に、温風で体温を適温に維持するための装置がある。
仙櫁暁 クーラーの類…????
仙櫁暁 CC<=91 【知識】 (1D100<=91) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 18 > 18 > イクストリーム成功
KP
では、本来この機会は温風を出すはずですが、冷気を出すことに気が付く。
また、冷気と一緒に、何か別の気体も発しているようだ。それが何なのかはわからない。
仙櫁暁 冷気を出す…???
仙櫁暁
「……? 空調の類……?」
大事なものなのかな……
誰かの声 「……おねーさん、起きてる?」
KP 隣から声がします。
仙櫁暁
「……、起きてますよ。
こんにちは」
ベッドに戻りつつ、返事をしますね。
誰かの声 「あっ、こんにちは。今日もおしゃべり、いい?」
仙櫁暁 「かまいません」
誰かの声 「わ、ありがと。えっと、調子は、大丈夫?」
仙櫁暁
「調子…… そうですね。
ちょっと、目の見え方に異常はありますが、それ以外は回復してきていると思いますよ」
「少しなら、歩くこともできます」
誰かの声
「目……目がたいへんなの? 気を付けてね」
「これまでのひと、目は、聞いたことなかったから」
「あ、でも、おねーさん今日、動けるくらい元気だもんね。だから、かな?」
仙櫁暁 「…なるほど? 目、以外では……ほかの人にも不調があった、ということですか?」
誰かの声
「んっとね、その部屋の人ね、いつも、次の日にはちょっとおかしくなっちゃうの」
「運ばれた日? 昨日のおねーさんみたいなときは、平気なんだけど。次の日になるとね、なんか、ちょっとおしゃべりとか、へんてこで」
「頭がぼーっとするとか、あんまりお話が通じなかったり、とかあったの」
仙櫁暁 (空調ジッ……)
誰かの声 「……ほんとは、おねーさんもそうなっちゃうんじゃないかってちょっとこわかったけど。でも、今日おねーさん元気なんだね、よかった」
KP 安心したような声が聞こえます。
仙櫁暁
「それは…… 変ですね。
それでも、今までの人も回復して……退院した……んですよね?」
誰かの声
「うん、おかしくなっちゃって、でも、おとーさんがちゃんと直してくれたから」
「三日目にはみんな、元気にでていくよ」
「だからおねーさんも、だいじょうぶ。……だいじょうぶ」
仙櫁暁
「……そうですか」いやでも……何されるんだろうな……
「検査もしてくださるということでしたし、そこまで心配はしていません。
相変わらずいろいろ思い出せないですけど」
誰かの声
「きっと思い出せるようになるよ」
「……」
「あのね、おねーさん」
仙櫁暁 「なんですか?」
誰かの声 「わがまま、言ってもいい?」
仙櫁暁
「わがまま……
おっしゃるだけであればいくらでも。私にかなえられそうなわがままであればいいんですが」
誰かの声
「……だめだったら、いい、んだけど」
「あのね、おねーさん、元気になるでしょ」
「退院、するの、いいことなんだけど」
「……」
「……あのね、あのね」
「わたし、ずっと、事故にあってからずっと、ここにいて」
「……元気になったら。わたしが、元気になったらでいいの」
「……おねーさん、と、会いたい」
「おかお、見てみたい」
仙櫁暁 顔を…
KP とてもいけないことのように、それでも大事なものを零すように、声がおちます。
仙櫁暁
「顔、ですか」
自分の顔を触る
誰かの声
「……お見舞いに来て、は、いわない。そこは我慢するから」
「ねえ、わがまま、だめかな……」
仙櫁暁
「……私にかなえられそうなお願いでよかった」
「かまいません。
きみが元気になったら……その時は。お祝いを持って会いに来ます」
誰かの声
「……! いいの? ほんと? ほんとに?」
「……やったぁ」
KP 噛み締めるような声が響きます。
誰かの声 「おねーさんすごくやさしいね。ありがと」
仙櫁暁 「そうですか? ……今まで来たここの病室の人には、もしかして断られて……?」
誰かの声
「んと、あの、さっきもいったけどね、お話ができなくなっちゃうから」
「私がお喋りできるの、おとーさんが治療していないときだし、おしゃべりするまえにでてっちゃうことが多くて」
「……それに、こんなにいっぱいおしゃべりしてくれたの、おねーさんがはじめて」
「だからね、はじめて、わがままいっちゃった」
「……いいこでいなきゃ、っておもってたけど、」
「……さみしくて」
仙櫁暁 「願いがないことが、いい子とイコールなわけではないですよ」
誰かの声
「そう、なのかな。だって一番おっきな、元気になりたい、を、叶えてもらおうとしているのに、ほかのこと」
「おとーさん、たいへんなのに」
仙櫁暁
「お願い事は……やりたいことはいくつあってもいいんです。
誰かの力を借りることになるなら、……そうですね、あまり言いすぎるのはよくないかもしれないですけど」
誰かの声 「……そっか、そうなのかな。やりたいことは、いっぱいあるんだ」
仙櫁暁 「昨日の、お医者さんになりたい、という夢もありましたね」
誰かの声
「うん、お医者さんになるんだ。それで、元気になったらおねーさんにも会うって約束も出来たね、へへ」
「……えへへ、まず、おねーさんとのやくそく。叶えたいな。明日退院なのかな、三日、だから、明後日かな? 退院して、おねーさんも私も元気になったら、絶対会ってね」
仙櫁暁
「そうですね。私も、叶えたいです。
いつ退院なのかは……私も把握していませんが、あとで君のお父さんに聞いてみましょう」
誰かの声 「あ、じゃあ、退院する時、お話しできたらいいな。またね、って、したい」
仙櫁暁
「ええ、わかりました。
その時は最後にお話をしましょう」
KP
では、そんな約束をしたところで、強烈な眠気があなたを襲います。
歩けるようになったとは言え、まだ体力が戻り切っていないようです。
泥のように眠りに落ちる直前、隣の部屋から「おやすみ。」という声が聞こえた気がするでしょう。
というわけで、本日もおやすみなさい。
仙櫁暁 おやすみ――
KP
目が覚めれば、貴方は相変わらず、手術室にいます。
ただ、視界はクリアになっています。体の調子も、昨日よりよくなっていると感じるでしょう。
仙櫁暁
(目が……)
目をぱちぱちさせながら周囲を見ています。
男 「おはよう、調子はどうだい」
KP そう言って男が入ってきました。
仙櫁暁
「おはようございます。
おかげさまでずいぶんと目がよくなりました。昨日……やはりどこか異常がありましたか?」
男
「そうだね。君が寝ている間に検査をして、治療させてもらったよ。目が良くなったのならよかった」
「体も多少動けるようにはなっているだろう。後は記憶を取り戻すだけだね」
仙櫁暁
「記憶……」
そういえば記憶は変わらず一切思い出せない感じでしょうか…?
男
「そうだね。相変わらず芸がないと思われてしまうかもしれないが、また話をしようじゃないか」
「今日のテーマは、……そう。君は、『臓器くじ』という言葉を知っているだろうか? つまり、覚えているだろうか」
193 ミ
仙櫁暁
「……思考実験ですね。
私が優秀な医者であると仮定して、臓器提供が必要な五人の患者を抱えている。そこでくじによってえらばれた健康な一人を犠牲にして、その臓器を五人の患者に提供すれば五人の命は助かる、という……」
193
優秀な医者の下りいらなかった気がする
実はこれはせんみつあきらがぶつけられたことがある問題です ワァ
男
「ああ、よく知っているね。やはり君はこういった題材と縁があったようだ」
「説明は不要なようだが、一応念のためルールの説明をしよう」
「臓器くじとは、「ある人間を1人、積極的に殺して、それより多くの人間を助けることは、良いことだろうか」という思考実験のことを言う。そして、ルールは5つ」
「1. 公平なくじを健康な人に引いてもらう。あたりが出たら、その人は殺される。
2. 殺された人の臓器を全て取り出し、臓器移植が必要な人々に配る。
3. 移植は必ず成功するものとする。
4. くじに不正行為は起きないものとする。
5. 人を殺す以外に臓器を得られないものとする。」
193 もしかしてせんみつ暁がやられた可能性ある…?
男 「テセウスの時もそうだが、君はこの話に、君なりの考えをもっていただろうか?」
KP そんな気がしてましたがご縁があるんですねぇ<ぶつけられたことがある問題
仙櫁暁
ふふ…… その時は、一人と五人、どちらを殺しますか?
という聞かれ方でしたね
KP 殺すって言い方かあ、こあーい
仙櫁暁 へへ…… トロッコ問題のようなものを感じます……
KP スライム的には、人間スライムと違って分裂できないんだからそんな粗末に扱っちゃだめだよって思うよ(※スライムはそもそも臓器がありません)
仙櫁暁
ふふ…… そうですね。
一人一人は唯一無二の存在ですし……
KP でも臓器があるから分裂も出来ると考えられるので、答えは人それぞれ~いっぱいかんがえてね人間~
193
そう… かな……!?!?!?
ひとまず言語化をがんばります!
KP (応援スライム)
仙櫁暁
「良いことかどうか、ですか……。
人間や、生きているもので考えるのであれば、良いことではないと思います。健康な一人の命を軽んじる行為かと。このルールを施行する前に同意でもとれているのなら別ですが」
「1:1はもちろんですが、例え五人と比べたとしても一人の命が軽いとはいえません。数えること自体がナンセンスです」
「……ですが、いいことか悪いことか、ですね……。
種の存続を第一に考えるのならば、”良いこと”でしょう。もちろん数が多い方が種が生き残る確率は上がりますから。
しかし……全体が生き残るためなら多少の犠牲はやむを得ない。それを当然とするような社会はごめんですね」
男
「ふむ、君は社会の在り方と君個人の感情を別にして判断するんだね」
「そして君にとっては命はどのような条件であれ比べられないものだ」
「……唯一の例外が同意か。同意を得られれば、それは別と言うが、肯定できるものになる、という意味なのかな?」
193 ただしもしそれが自分だったら、彼女は命を差し出すでしょうね……
KP アアン
仙櫁暁
「……肯定してはいけないですし、前例を作ること自体が悪手かと思いますが、両者の意向が等しくなったのであれば実行は可能ですね」
「そこに同調圧力や、意思の強制がないことを祈るばかりです」
男
「ふむ、そうか。君はとても理性的で、倫理的な人のようだね」
「そしてそこに願いを込める程度には、憂慮もするし、公平を望む」
「どうしてそんなふうに考えられるのか気になりもするが、君にとっては当然なのかな。それとも、なにか理由や動機、思い出せるものでもあるかな」
仙櫁暁
「思い出せるもの………」
思い出せるもの…?(KPさんのほうをチラッ
「そうですね。……命の価値については思うところがあるようです」
男 「……ふむ。そういったことを考えるような環境にいたのだろうか」
仙櫁暁
「そうかもしれません。
……少なくとも医者ではなかっただろうと思っていますが」
医術の心得がないので……
男
「……そうか。まあ、医者以外にもそういったものと向き合うようなことはあるだろう」
「さて」
「そろそろ他の患者を見に行く時間だ」
「君も、明日には退院だ。ずいぶん思い出すことがあったようだし、記憶もきっと戻るだろう」
仙櫁暁 「明日ですか……わかりました」
男 「ああ。では、失礼するよ」
仙櫁暁 「はい。ありがとうございました」
KP では、そういうと医者は出ていきます。
仙櫁暁 オオ……
KP では、貴方は部屋にいます。もう動き回ることも出来るでしょう。
仙櫁暁
なるほど…… しかしもう暗い。
夜なんですね
KP 扉を確認することが出来ます。
仙櫁暁
そうですね、さすがに扉の外が気になるかも……
扉を調べてみます。
仙櫁暁
隣の部屋へのドアだったのか……(右後ろだとおもっていた
???? 元気になったら会いに来てって言ってたけども
仙櫁暁
お見舞いはさすがにわがままが過ぎる、とは言っていたけど……
うーん…… 扉をノックしてみます…?
KP ノックできます。
仙櫁暁 では、とんとん、と
誰かの声
「あれ? おねえーさん?」
「もう、動けるようになったの?」
仙櫁暁 「はい。かなり動き回れるようになって…… 君の部屋への扉があることに気が付いたのでこうしてノックしてみました」
誰かの声
「……! え、じゃあ、もしかして、会いに来てくれるの?」
「まだ、わたし、動けないけど……近くでおしゃべりできるなら、」
「うれしい」
仙櫁暁
「……そうですか。
それなら……今から会いに伺っても?」
誰かの声
「……! うれしい、いいよ!」
「あ、でも」
仙櫁暁 動けないのか…… 目だけじゃないんだな
誰かの声
「わたし、ずっと寝たきりで、動けないから」
「なんか、へんなかっこ、だったら、ごめんね」
193 なんて不穏なんだ……
誰かの声 「自分の格好、わかんないから……へんなかっこでも、びっくりしないでほしいな」
仙櫁暁
「わかりました。
びっくりするほどの変な格好、というのも想像がつかないので……今のところは何とも言えないですが」
「驚かないように心しますね」
誰かの声
「ありがと。……えっと、えっと」
「じゃあ、おへやに、どーぞ!」
KP 期待する明るい声がします。
仙櫁暁
「はい、お邪魔します」
明るい声に応えるように、扉を開けてみます。
KP
では、貴方は扉の中に入る。
隣の部屋は薄暗い。そして、部屋の中央が、ぼんやりと光っている。
そこには、ベッドがありました。
そして、そのベッドに横たわっていたのは、大人の人影――いや、あなた自身だった。もちろん、あなたはベッドのそばに立っている。立って、横たわる自分を眺めている。
193 わぁーーーーーーっ
KP
では、ベッドで寝ている自分は誰なんだろうか。どうして、自分が二人いるんだろうか。
異様な光景に、正気度チェックです。
正気度チェック:1/1D10
仙櫁暁 CC<=73 【SAN値チェック】 (1D100<=73) ボーナス・ペナルティダイス[0] > 22 > 22 > ハード成功
system [ 仙櫁暁 ] SAN : 73 → 72
仙櫁暁 「……、…………」おお…?
誰かの声 「おねーさん、えっと、いらっしゃいませ?」
仙櫁暁
おねーさんというか……
本人……???
誰かの声 「えへへ、治る前に、おねーさんと会えちゃった」
KP そんな声が聞こえてくる。――ベッドの脇から。
仙櫁暁
「……ええ、こん……にちは…?」
さすがにちょっと動揺している ベッドの脇…?
そちらを見てみます。
KP
では、あなたは、そちらを見る。
声がしたのは、機械が付随したシリンダーからだった。そのシリンダーは緑の液体で満たされており、中には脳みそが浮かんでいる。
あなたの話相手の声は、このシリンダーに付随した機械から聞こえてきている。
誰かの声 「こんにちは。えっと、へんなかっこ、してない? 大丈夫かな?」
仙櫁暁 「………、……、きみが…?」
誰かの声 「? うん」
仙櫁暁
「……ああ、きっと、大丈夫だと……思う。
なにも、苦しいところはない……んでしょう?」
誰かの声
「うん、大丈夫。見えないし、動けないけど。痛いとかはないよ」
「今日はおねーさんがきてくれたから、とってもいい日!」
男 「……驚いたな。もう、そんなに動けるようになっているとは」
193
おわぁーっ!! びっくりした!!
こんにちは!
仙櫁暁 「……、先生」
KP 男がやってくる。そうして彼は、シリンダーに近づいた。
193 あっ、これ……
誰かの声 「? おとーさん?」
男 「ああ、……うん。少し、おやすみ」
193 本物の仙櫁暁と自分、どっちを差し出すかという
KP 男はシリンダーに付いている、スイッチのようなものを切った。
仙櫁暁 「……! 今のは……」
男
「……すまないね。驚いただろう」
「少し、話をしてもいいだろうか」
仙櫁暁 「……ええ、私も聞きたいことがありますから」
男 「ああ、君の質問にも答えよう。だがそうだな、まずは……私の話を、聞いてくれないか」
仙櫁暁
「………」
頷く。
男
「……ありがとう。本当に、有難う」
「どこから話そうか。……事故に、あったんだ」
「大きな事故でね。この子は、体の原型が留められないほどの重傷を負った」
「……それでも、なんとか、なんとか。脳だけは保存しようと試みてね。それが、君の見たあの子の姿だ」
「中々見たところで信じがたいとは思う。けれども実際、あの子だ。君が会話したあの子は、本当生きている。……幸い、私は交流があったんだ。そういったことができる種族との交流がね」
仙櫁暁 ミ=ゴ……
KP 男はそう言って、愛し気にスイッチが切れたシリンダーを撫でます。
男 「……ベッドにいるのは、君自身の、元の体だよ」
仙櫁暁 「……元の…?」
男 「今の君の体は、作り物だ。……人形にね、君の脳みそを移し替えたんだ」
仙櫁暁
「人形、ですか。
それは……成程」
男 「……冷静だね」
仙櫁暁
「そうですね。混乱しすぎて……逆に、そう見えているのかもしれません」
「しかし何故、そんなことを?
雷に……撃たれたからですか?」
男
「……そうか。そうだな。それでも話してくれることに感謝を。そして、そう、すまない」
「雷は、――嘘だ」
193 なるほどね…
男
「私は、ずっと、あの子の体を探していた」
「あの子は君と違って、人形にうまく接続できなかったんだ。機械に移し替えるには、時間が経ちすぎていたらしい。うまく順応してくれないんだ」
「……だから私は、ずっと。あの子の体を探していた。君は、そうしてようやく、君が見つかった」
「――君の体なら、適性率98%の君の体なら、きっとこの子になじんでくれるだろう。
そしてその人形の体も、君になじんでいるだろう。ちょっと調整は必要だったが、適性率は97%だったからね」
「ずっとずっと、……探していたんだ」
「……私の話は、以上だ。君の、質問は?」
仙櫁暁
「大方の疑問は……今のお話で解消しました。
それで、あなたの要求は何ですか。私に私の体をよこせと……そういうことでしょうか」
男
「そうだ」
「私の願いは一つ。この子のために、君の体が欲しい。君にはその、機械の体を渡す。だから、お願いだ。君の体を、譲ってくれないか」
仙櫁暁
「………。
機械の体になることのメリットとデメリットを教えてください」
「正確に。うそをつかれては困ります」
男
「奴らの技術は完璧だ。その体は、元と変わらない」
「……しかし、なにぶん初めてのことだ。どうなるか保証は出来ない」
「ただちに支障が出るようなことはない、と言えるが、それ以上の保証を出来ない。だからこれは、私の一方的なお願いでしかないともいえる」
「――君は、囚人のジレンマでは利益を優先した答えを選んだ」
「その君にとってイーブンと感じられるものには足りないかもしれない。それでも、その人形は精密にできている。それだけは……それだけしかともいえるが。それでも、それだけは保証する」
仙櫁暁
「そうですか。
……体を入れ替えた後、あなたの娘さんはどうなさるつもりですか?
顔かたちはそのままで、"私"として生きるつもりで?」
男
「……君のなり代わりをするわけじゃない」
「今君が使っているその体は、君の元の体とまったく同じ形だ。君は君のままでいられるだろう」
「……私はこの子に、動き回れるからだが欲しいんだ。誰かの代わりになれ、なんて思っていない」
仙櫁暁
「……こんなことをする技術があるなら、もう少し別の手段なりがあったと思いますけどね」
「私の記憶は……どうなるんですか?」
男
「記憶は戻る。それは保証する」
「……他の手段があれば、それをした。しかし、今の私にはこれしかないんだ」
「それでも、君が同意しないなら、私は君を元の体に戻す。……勝手な願いなのは、重々承知だ」
「君にとっての「芯」がなにとなるのか。私にはわからない。私にとっての「芯」が、君には違うかもしれない」
「……だから、お願いするしかないんだ」
仙櫁暁
「なるほど。
この状況の……この問答のための、探りを入れるための質問だったわけですね。よく考えておられる」
男
「……不誠実、と思って構わない。」
「君の信頼を無下にしたのは心苦しいが……それでも、私は」
「私には、これしかないんだ」
仙櫁暁
「ここで私が拒否したところで、あなたはまたどなたかを捕まえて同じことをなさるんでしょうね。
………条件があります」
男 「聞かせてくれ」
仙櫁暁
「これをあなたが呑めるか否かですが……
機械の体を作ったという種族と渡りをつけてください。サポートや交換保証のない機械など、鉄屑同然です」
「いえ、鉄でできているのかは私の知るところではないですが」
男 「……サポートや交換などは、そもそも私が行うことになるだろう。その体への移行も、調整も私だからね」
仙櫁暁
「製作者でないあなたがメンテナンスを?
………」
男
「奴らから、この技術を私が受け継いだ形だ」
「……技術の応用であり、人の形への整合は私がとっているからね」
仙櫁暁
「なるほど、素体があれば改造と運用・保守までは可能である、と。
機械と生物はかなり異なるものだと考えていますから、その認識は些か心配ですが」
男
「脳の摘出、人形の素材、技術。それらの協力を得ている。奴らと会いたければ、話をつけようとは思うが――奴らは自体には別に、この人形を作ろうという理由がないからね」
「実際のメンテナンスはどうしても私になるだろう。すまない」
仙櫁暁
「ふむ、なるほど。
いざとなれば、ですね」
「では、最後に……
私がもし死んだ場合はどうなりますか。この体は」
男
「――」
「人形と判別されるか、どうか、か?」
仙櫁暁 「はい」
男
「……人と、思われるように作ってはいる。だが、技術は日々変わる。メンテナンスをするという意味ではなく、それを見極める側の技術についても、だ」
「絶対は保証できない」
仙櫁暁
「そうですか。…………」
「正直にいえば、フェアではないと思います。
思い出せない以上、私は自分事と今の状況をとらえられないでいます。記憶を取り戻したときに私はこの状況を拒否することも考えられる」
男
「……ああ、そうだな。もっともだ」
「この状態で決断を迫るのは、フェアではない。それは理解している。……だからこそ、私は、最後の一線。無理やり入れ替える、ということはしない」
「戻りたければ、戻す。……願うしかない立場だ」
193 もう入れ替えとるがな―― ふふふ
仙櫁暁
「……はあ……」
「……わかりました。提案を受け入れます」
193 めちゃ長考だったな……
男
「……!」
「……有難う」
仙櫁暁 「入れ替えるなどとおっしゃるなら、もう少し特典でもつけておいてくれるならありがたかったですけどね」
男
「……はは、それは、すまない。なにかできればよかったんだが」
「だが、君の為に私に出来ることは、出来うる限りの力でもって行うことは約束する」
「……娘に、君の体を譲ってくれること。本当に、本当に感謝する」
KP 男が、震える声で、絞るように言う。
仙櫁暁
「それこそ、いつまでもつかわからない体ですけどね。
その体も ………」
男
「……すまない。それでも承知してくれて、有難う」
「……おやすみ。仙櫁暁くん」
KP そうして、あなたの意識は暗転した。
193 突然名前を呼ばれたのでキュウリが器官に入りそうになった
KP
あなたは気が付くと、自分の家に戻っていた。失われた記憶も戻っている。病院での出来事も覚えている。あれは夢だったのか、現実だったのか。
ふと、体のある一部分が、よく見るとわかることだが、他の部分とは違う色になっていることに気が付く。はたしてその体は、本物なのか、偽物なのか。それがはっきりするのは、もう少し後のことだろう。
193 一部分が…!?!?????!????
KP
カタシロ、生還です。おめでとうございます。
正気度回復:1D10
仙櫁暁 1d10 (1D10) > 1
system [ 仙櫁暁 ] SAN : 72 → 73