KP
「行方不明になった友人を探してほしい」
「沖縄のある海岸に、これが流れ着いた」
「一艘の小舟に乗ってね」
そう言って、彼は一册の手帳を差し出した。
お前、まだそこにいるか。
❏概要
参加人数―――1人
想定時間―――4時間~
推獎技能―――《歴史》《オカルト》《人類學》
KP
お疲れさまです。こんにちは。
本日は急なお時間変更にも関わらずいらしていただきありがとうございます。
品
こんにちは、こちらこそありがとうございます!
まんまるおつきさまだ
KP
お月さまみたいな丸です! シンプル!
ようし、それでは準備ができ次第始めてまいりますね…!
品
そしてびっくり、立ち絵の足元にオシャレな白い影。
はい!
KP 影は…足掻きです!
品 あがき…!? なんの…!?
KP 部屋を…おしゃれにしようと…?
品
背景、実は少しゆらゆらしてる はわ…
波……
KP 波です! 気づいてもらってしまった……
KP
それでは、刻限となりました。
クトゥルフ神話TRPGシナリオ
『オウヤサマ』
シナリオ:ごくつぶし 様
プレイヤー: 八百雨 様
探索者: 士之宮 百々千 様
始めてまいります。
よろしくお願いいたします。
百々千翁 んにんに。よろしゅう。
KP
あれは、いつのことだっただろう。
雲一つない空から鋭い陽光が射し、着ていた服が背中に張り付くような、暑い暑い夏の日だったことだけは覚えている。
そうだ。
知人に誘われて、目的地の島まで船で向かったんだ。
あの島は、何という島だったか。
七月末。
重たく湿った熱気を残して太陽が西へと傾き、街の明かりが灯り始めたころ。
元教え子の東に呼び出され、あなたはとある喫茶店を訪れていた。
「頼みたいことがありましてね」
彼からは、それだけ聞いていた。
店に入ると同時に
東 幸平 「おう、先生」
KP と、奥の方の席から声がかかる。
百々千翁 「東。なんじゃ、えらいハイカラな場所じゃな」
KP そちらを見ると、着古したスーツや顎や頬の無精ひげと、相変わらずくたびれた様子の東が座っていた。
東 幸平
「ははは、ハイカラって。ザ・喫茶店って感じでしょ」
「いきなり呼び出してすみませんね。珈琲の一杯でも奢りますよ、先生」
百々千翁
「珈琲一杯よりも教え子がしゃんとした身なりしてくれる方が儂は嬉しいがのう」
「あとで髭は剃りい。女も寄り付かんて」
東 幸平
「いやあこれは……俺もまあ忙しいんすよ。
ま、ま、座ってください、先生」
百々千翁 「はいな。こうして話すのは久しいのう」座る
KP
指摘されて思い出したように服装を少々整え、顎を触ったかと思うと、東は吸っていた煙草を灰皿に押し付け、近くにいた店員を呼んであなたの飲み物を注文する。
東は店員に愛想よくお礼を言った後、手元の鞄から一冊の手帳を取り出した。
百々千翁 「ほいで頼みゆうはそれか?」手帳を見る
東 幸平
「それなんですよ先生。電話で言った話なんですがね」
「あー……それより、先生。来月の……8月、8日の……いやその前後って軽くご予定なんかは空いてますかね」
百々千翁
「隠居爺に予定なんぞありゃせんよ」ケラケラ
「八日をあけておけばいいんじゃな?」
東 幸平
「またまたそんな……いつまでも俺とそんなに変わらない見た目だっていうのに……」
「そうですね、8日と……その前日かな」
KP 目の前の彼は、いつになく真剣な表情で手元の手帳を見つめていた。
百々千翁 「七日から八日か、あいわかった。詳しい話はここで聞けるんかの?」
東 幸平
「ええ、もちろん。
つっても、俺の方で分かってることだけですが」
「――沖縄のある海岸にこれが流れ着いたんです」
「それも、一艘の古い小舟に乗って」
「俺の親友が使っていた手帳でしてね」
「そいつ、1週間くらい前から行方が分からなくなっているんです」
百々千翁 「可愛い教え子の頼みじゃ、いうてみい」
東 幸平
「ありがとうございます。頼みというのは、それでして。
俺の親友を探す手伝いをしてくれやしませんか」
KP 手帳を見つめながら訥々と語る彼は、とても冗談を言っているようには見えなかった。
百々千翁 「行方知れずとは、大事じゃな。手伝いは構わんが、おまわりさんは何しとう?」
東 幸平
「警察には捜索を打ち切られてしまいまして。こいつが見つかったのが、そいつが見つかった直後なんですがね」
「手帳が見つかったっていう海岸付近も創作してもらったんですが、それ以上の手がかりはなかったって」
「……先に、手帳の持ち主の方の話からしていくのが早いですかね」
百々千翁
「なるほど…そうじゃな、人相ぐらいは分からんと、探しようもない」
「その人となりで、行きそうな場所やりそうなこと、痕跡が見えるやもしれんしの」
東 幸平
「ああ、写真。どっかにあったかな……いや、大学のホームページとかに載ってそうだ。後でURLおくりますね」
「名前は伊崎陽介っていうんです。大学の教授をやってましてね。専攻は経済学なんですが」
百々千翁 「経済学とな」
百々千翁 (うちの奏多もその学問の学生じゃ、驚いたのう…)
東 幸平 へえ。そりゃあ、偶然ですね。
東 幸平
「はい。仕事一筋のやつだったんですが……つい一年前に奥さんを亡くしちまいまして」
「奥さんのことは本当に大事にしてたんですよ。
……亡くなったんだと教えてくれたあいつは、正直見てられなかった」
「最後に会ったのは半年くらい前かな。
仕事に打ち込んでいるとは聞いたんですが、体調も良さそうには見えなかったし、ずっと気にかけてたんです」
百々千翁 「…妻を亡くしたばかりは、そうじゃろうて…それで行方知れずとは確かに不安じゃな」
東 幸平
「……しかもその手帳が見つかったっていう海岸は、奥さんの方の故郷のすぐ近くの海岸なんですよ」
「奥さんは伊崎あかりっていって、沖縄出身の女性でして。手帳は陽介がいなくなってからすぐ、近くに住んでる人が見つけたそうです」
百々千翁 「……その命日はわかるか?」
東 幸平 「ええ。この手帳の方に書いてあります」
KP 東は手に持っていた手帳をあなたの前に置くだろう。
百々千翁 「ちょいと、読ませてもらおうかの」よみよみ
KP
[伊崎 陽介の手帳]
焦げ茶色をした光沢のあるヌメ革の表紙を見ると、長年使いこんでいた物だろう。
全体がひどく波打っていることから、一度水浸しになったのではないかと推察できる。
どのページにも仕事のスケジュールや内容が事細かに記入されており、持ち主の丁寧な性格が窺うかがえる手帳である。
ただ、7月に入ってからの予定は一つも記入されていない。
8月のページを開くと、8月8日に「妻が還ってくる」とだけ、ひどく滲にじんだ文字で書き込まれていた。
東 幸平 「八月八日。……陽介の奥さんの命日です」
百々千翁 「なるほど…そいでおまえさん、八日には沖縄で探しに行きたいと」
東 幸平
「ああ、いや。
ははは、バレちまいましたか」
百々千翁 「……還暦の『還』という字を使っておるんじゃな」
東 幸平
「それ、不思議でしょう。何の事なのかさっぱり……。
それだけ何ともオカルトじみてて、何というか、あいつらしくないんですよね」
「何の確証も無いんですが、いやな予感がしたんですよ。
それで、そういうのに詳しそうな先生なら、俺じゃ分からないことも分かるかもしれないと思ったんです」
百々千翁 「なるほど、『おかると』は民俗や人文学に根差している一面もあるから適任じゃ。よう呼んでくれた」
東 幸平
「いや、ほんとうに助かります。
いつもとは立場が逆転してますね。といっても、俺の方は全くお役に立てちゃあいませんが……」
「……もう俺以外、誰もあいつのことを探しちゃくれないんです」
百々千翁
「……思ってくれる友人がおるのに行方くらます阿呆は首根っこひっ掴んでそこに直らせにゃならんのう」ケラケラ
「儂の方は気にするな、あれは阿呆でも頑丈な阿呆じゃ」
東 幸平
「ありがとうございます。先生も大変だっていうのに……」
「それで八日……いや、その前日も合わせてなんですが」
KP 東が言うにはこの手帳が見つかった後、あかりの実家である洲鎌家に連絡を取ってみたところ、もし島に来るのであればうちに来なさい、という誘いを受けたそうだ。
百々千翁 「宿要らずか、それはよいよい」
東 幸平
「ええ。奥さんの命日の前日、七日ならなんとかなるそうで」
「もし先生のご都合が良ければ、俺と一緒に沖縄に行ってくれませんか」
百々千翁
「あいわかった」
「……ところで」
東 幸平
「はえっ…いいんですか。
ええ、なんでしょうか」
百々千翁 「二日と言わず三日にならんかのう~? 最終日に沖縄観光したいのう~無論おまえさんらを連れてだ」
東 幸平
「え、ええ~…!?
いや~……まあ、そうですね。先生に来ていただくわけですから」
百々千翁 「洲鎌家に厄介になるわけにはいかんからな、宿は別でとろう」
東 幸平 「わかりました。帰りの便は少し送らせて取っておきますよ」
百々千翁 「頼りになるのぅ若者は」
東 幸平 「いや、洲鎌のお家の方はですね、沖縄は沖縄でも離島の方でして」
百々千翁 「離島?」
東 幸平
「ええ、奥屋島ってところです。
宿なんかはないらしくて」
「那覇空港についたら、船で行くことになりそうなんですよ。その日のうちの帰りの便もあるか、ないか……」
「それで、泊まっていきなさいっていうお誘いをしてくれたみたいですね」
百々千翁 「ほうかほうか、まあ行ってみるかのう」
東 幸平 「ありがとうございます。大学の方でも研究室にこもりっきりで、ゼミ生や先生方とも話してなかったようで……」
百々千翁 「重症じゃな…」
東 幸平
「ええ。手がかりがその奥屋島に行くしか無い、といったところだったんです。
……ぜひ、よろしくおねがいします」
KP 東は貴方に向かって座ったままだが、深々と頭を下げるだろう。
百々千翁 「……承った」扇子をパチンと閉じる
KP
ありがとうございます、と東が頭を下げたまま言うだろう。
他に、なにかなさりたいこと等がなければ時間を進め、奥屋島へ向かうことになります。
百々千翁 沖縄のガイドブックをもってゆこうかのう
KP
ガイドブック。了解です。
問題なく持っていけるでしょう。
百々千翁 あとは、行方不明事件が記事に出ておるのであれば調べたいが…東から伝えられた情報以上のことはないかの?
KP
そうですね……。載っていたとしても、新聞の片隅にちらりと捜索願が載っている、といった感じかと思われます。
更に東と話を続けていた場合は、以下のような情報も得られるでしょう。
○親友の妻について
名前は伊崎 あかり。
陽介と同じ大学で助教授をしていた。
沖縄県出身の女性で、陽介の手帳が見つかったのは彼女の故郷のほど近くの海岸であるという。
○目撃証言について
洲鎌の実家の方には顔を出していない。
百々千翁 んにんに。大学の名前と所在もひかえておくか。
KP
了解です。
問題なく控えられるでしょう。大学のホームページに載っている伊崎陽介の写真も見せてもらえます。
百々千翁 どんな人柄か、心理学ではかれるじゃろうか。
KP
s1d100<=80 心理学 (1D100<=80) > 49 > 成功
では、写真からは東の言う通り真面目そうな印象を受ける。ただ、憔悴した様子は見受けられない。
もしかすると、今年撮った写真ではないのかもしれないと思う。
百々千翁 なるほどなるほど、こちらが本来の。
KP はい。本来であれば誰にも言わずにふらりと消えてしまうような人物ではないはずです。
百々千翁 あいわかった、こいで儂の気は済んだ。あとはゴーヤーチャンプルーが食べられれば言うこと無しじゃのう
KP
承知いたしました。
それでは、あなたは今回の件について東といくらか会話したのち、喫茶店を去るでしょう。
来る八月七日の出立日のことを思いながら。
──縹渺(ひょうびょう)と広がる群青の海を、一艘の船が進んでいた。
小さな船体は緩慢に揺れ、時折ぐいと波に持ち上げられては水面に腹を打ち、白い飛沫を上げた。
気付けば、目的地の奥屋島はもう目の前にあった。
島に近づくほどに海は透き通り、少しずつ白んでいく。
今はただ、この風景の一部でありたいと思った。
テトラポッドに囲まれた堤防を越えると、簡素な小屋が建っているだけの小さな港が見えた。
小屋の近くに座り込んでいた老人が立ち上がり、こちらに向かって手を大きく振りながら歩いてくる。
きっとあの人が伊崎 あかりの父親、洲鎌 丈一郎だろう。
洲鎌丈一郎 「よく来たなあ」
KP
と言って、彼はあなたたちを満面の笑みで迎えてくれる。
そして、舫綱(もやいづな)を手慣れた手つきで係船環(けいせんかん)に括りつけていく。
その日焼けした真っ黒な手には深い深い皺が刻まれていた。
百々千翁 「東から話は行っておりますかな、私がシノミヤと申します」
洲鎌丈一郎
「ああ、聞いてる聞いてる。
なんでも、偉い先生が来てくれるって。シノミヤさん!」
「いやあ話に聞いていたよりは若いような気がするが……東京の方の人はみんなそうなんかね!」
百々千翁 「ほじゃほじゃ」(大嘘)
洲鎌丈一郎 「それで、そろそろ着く頃だろうと思って、あそこで待ってたんだよ」
百々千翁 「あすこといいますと?」見てみる
KP
小屋のそばを見ると、小さなグラスが置かれていた。
どうも、酒か何かを飲んで待っていたらしい。
百々千翁 酒!
品 やめてねおじいちゃん
百々千翁 「泡盛ですかな」
洲鎌丈一郎 なんだい、いける口かい?
百々千翁 CCB<=(8*5) 【CON】酒 (1D100<=40) > 85 > 失敗
洲鎌丈一郎 「ああ……飲んでたこと、かあちゃんには内緒にしてくれな」
品 でろでろに酔っちゃうじゃん
KP 泡盛は……30度だか40度だかなのでカーンといっちゃったのかも知れませんね
百々千翁 「ほうほう儂にタダでは口止め利かんよ、何事にも料(シロ)というものがありましてな…どれ一杯」
洲鎌丈一郎
「なんだ、仕方がねえな……
ほれ、ちょっとずつ飲むんだぞ」
どこからか酒瓶と小さなグラスを取り出して渡してくれる。
「一気に飲むとぶっ倒れちまうからな」
東 幸平 「おいおい……大丈夫ですか先生…?」
百々千翁 「っくぅー、これは効く。香りの抜けも良いし何より甘みが良いのぉ」
品 ……CON……? 振る?
KP
なるほど…? 失敗すると酒が抜けるまで…何かがアレ…? いや、フレーバーなので!
どうぞ!
百々千翁 CCB<=(8*5) 【CON】泡盛じゃ! (1D100<=40) > 1 > 決定的成功/スペシャル
KP …? クリチケをどうぞ!
品 ???????
百々千翁 良い酒は良い運を運ぶのう(クリチケを懐にしまう
system [ 百々千翁 ] CT🍶 : 0 → 1
KP CT🍶――
百々千翁 「いやあ満足満足。東もほれ、どうじゃ」
東 幸平
「え? じゃあちょっとだけ……」
差し出されたグラスを受け取ってちびっ、と飲む。
「うわっ、きっつ……
よくこんな強い酒一気に飲みましたね」
百々千翁 「ほか? こりゃヨメにも内緒で飲むわけじゃ」洲鎌ににししと笑う
洲鎌丈一郎
「へへ……飲むのは止められててな。
健康に悪いってんで」
「でもまあ、酒はな。
やめろって言われてもやめらんねえよ」
KP にかっ、と笑い返してくれるだろう。
百々千翁 「酒は心の栄養じゃ、断ったら頭から萎れてしまう」
洲鎌丈一郎
「そうそう。分かってるねえ。
……んじゃあ、家まで案内するよ。
ここから歩いて15分くらいかかるんだ」
KP 丈一郎は渡し舟の船長に礼を言ってから、家の方へと案内しようとしてくれる。
百々千翁
「15分か、近いのう。まあ今更猫を被っても仕様も無いのじゃが、…此度はこちらの申し出をお引き受けいただく計らい、ありがたく存じます」
東をつれてついて行くとしよう
洲鎌丈一郎 「ああ。いや、いや……」
東 幸平 「今日はお世話になります」
KP
あなた方三人は、洲鎌の家へと向かうだろう。
空は相変わらずすっきりと晴れていたが、不思議と風のない奥屋島の空気はべたついて重かった。
路面から立ち昇った陽炎で、向こうに見える民家はどれも揺らいで見えた。
道の脇にある林から蝉の鳴き声が聞こえるくらいで、他に聞こえてくる音は無い。
大股に歩く丈一郎の後ろについて、あなたはわずかに傾斜した道を登っていく。
道中、彼は島の漁業や塩業、サトウキビ栽培などについて話してくれるだろう。
洲鎌丈一郎
「ここだ。
古い家だが、勘弁してくれよ」
KP 屋根の低い平屋にそれを囲む石垣と、昔ながらの建築様式で建てられた洲鎌家からは、昼のニュースを読み上げるアナウンサーの声が聞こえてくる。
百々千翁 「好い風情ではないか。重畳、重畳」
KP 広い軒下まで歩いていくと、大きく開かれた戸の向こうから白髪の夫人が顔を出す。
洲鎌佳恵
「いらっしゃい。暑かったでしょう。
ごめんなさいね、家が遠くって」
百々千翁 「いやいや、良い運動になり申した。こちらは奥さんで?」
洲鎌丈一郎 「ああ、そうそう。俺の奥さんだよ」
洲鎌佳恵 「洲鎌佳恵です。ほら、立ち話もなんだから、入って入って」
百々千翁 「別嬪さんのヨメをもらったのう。気も利くときた」上がる
KP
あなた方が家に上がって荷物を置いてくると、佳恵はテーブルの上に料理を並べ始める。
昔ながらの家庭料理が多く、軒下でも香る匂いが2 人の食欲をそそった。
百々千翁 そこに映っとる曲がった輪郭はゴーヤーチャンプルーじゃな
洲鎌佳恵
「お昼ごろに来るって聞いてたから、準備してたのよ。
ほら、おなかすいてるでしょう。食べて食べて」
洲鎌佳恵
あら、目がいいわね。
ゴーヤチャンプルも、テビチもあるからね
百々千翁 「これが沖縄料理! いやはやここまでご用意いただいていたとはご厚意痛み入る」
洲鎌佳恵 「いえいえ。おかわりもあるから、遠慮なく食べてね」
KP
食事中の両親は賑やかで、あなたや東のことについて色々と質問をしてくる。
陽介たちの住んでいた都内はおろか、県外や国外への旅行に行ったこともほとんどなく、何もかもが目新しいようだ。
会話を続けていく中で……《アイデア》が振れます(振らないことも可能です)。
百々千翁
ほうほう、では振るかのう。
CCB<=90 【アイデア】 (1D100<=90) > 68 > 成功
KP では、貴方は夫妻が今回の件についてや、それに関連した陽介やあかりの話を口にしないことに気がつく。
百々千翁
ああ……ふむ……
「ところで、この島から嫁に出たおなごはそう多くはないのかのう」
洲鎌丈一郎
「……ああ、そうだな。
うちの島もそんなに大きくはないから……人数自体が少ないな」
百々千翁 「あかりさんは東京に憧れでもあったかね」
洲鎌丈一郎
「東京に憧れっていうより、勉強しに行ったんだと思ってるよ。
勉強熱心だったからよ」
百々千翁 「助教授であったとか。いやはや立派立派」
洲鎌丈一郎 「……ああ。ありがとよ」
百々千翁 娘の話題に触れてほしくないのか、<心理学>80%かのぅ……
洲鎌丈一郎 s1d100<=80 心理学 (1D100<=80) > 64 > 成功
KP
【心理学情報】
何かに対して落ち込んでいるようであり、それに関連する話題については少々口が重くなるようだ。
百々千翁 ……落ち込み、か。
KP
はい。さて、そろそろ食事も終える頃になるでしょう。
彼らがその話題に触れるのは、食事が終わり、片付けまできれいに済ませた後である。
机の前に静かに座り、改めてあなたたちに向き直った両親は、ゆっくりと重い口を開く。
少しの風もなく、風鈴の揺れない居間には、真夏の気だるさとは違った空気が満ちていた。
洲鎌丈一郎
「うん、じゃあ……せっかく来てくれたから、ちゃんと話そうか。
陽介君のこと」
百々千翁 「……」居住まいを正す
KP
……といったところで、気がつけば12:00を過ぎておりました。
いかが致しましょうか。一旦お昼休憩…?
品 そうですね…昼休憩了解であります!
KP
承知いたしました!
再開はお時間をずらして13:15からとしましょうか。
品 はい、1時間休憩承知いたしました
KP
はい。それではまた後ほど。
また午後からよろしくお願いいたします。
百々千翁 (ずずーっと茶を飲む)
KP
お疲れさまです!
ふふふ、お茶を飲んでいらっしゃる。
品 お疲れ様です!
KP はい! お昼からもよろしくお願いいたします。
品 よろしくお願いします
KP
洲鎌家にたどり着き、昼食を食べ終えたあなた方に、夫妻は改めて、行方不明となった伊崎陽介について話し始めるだろう。
彼らが語る内容は以下の通りである。
KP
【洲鎌夫妻の知っている情報】
・陽介と最後に会ったのは1カ月ほど前だった。
墓参りを済ませた後、お茶の1 杯でも飲んでいけと勧めたが、仕事があると言って足早に帰っていった。
・陽介の手帳が見つかった後、警察が何度か島を訪れていたが、自分たちを含めて彼の姿を見たものは島にはいなかった。
・陽介のことは、自分たちの本当の息子のように思っている。もし生きているのであれば帰ってきてほしい。
洲鎌丈一郎
「正直、こっちでわかることはあんまりなくてね……」
「一ヶ月か二ヶ月に一回、顔を出してくれるくらいだったから…」
百々千翁 「……」念のため嘘ではないか心理学を
洲鎌丈一郎
s1d100<=80 (1D100<=80) > 45 > 成功
特に嘘をついている様子はないだろう。
真剣に陽介の行方について、案じているように思える。
百々千翁
(さっきまで口を重く閉ざしてた理由がようわからんが、墓参りか……)
「娘さんの墓、案内願えるかのう?」
洲鎌丈一郎
「ああ。……今から行くかい?
森の手前の方にあるんだがね」
百々千翁 「明るいうちにの」
KP
丈一郎に案内を頼むのであれば、連れて行ってくれるでしょう。
後ほど探索することもできます。
百々千翁
あいわかった
「そういえば、ここいらで死に戻りの伝承は聞かんか?」
洲鎌丈一郎 「シニモドリの伝承……?」
百々千翁 「イザナギとイザナミのような……その様子だと心当たりは無いか」
洲鎌丈一郎
「うーん……あかりが……生きていたらそういうのもわかるんだがね。
俺たちはあいにくとそこまで詳しくなくて」
「あかりの部屋には研究についての資料や本なんかが残ってるから、そっちのほうを見てもらったほうがいいかも知れないね」
百々千翁 「ほうか……入ってもええか?」
洲鎌丈一郎
「ああ。あかりの部屋には入ってもらって大丈夫だよ」
「お墓の方にもぜひ、会いに行ってやってくれ。
っていっても、骨はそこにはないんだがね」
百々千翁
「……どういうことじゃ?」
「聞いても良いのかわからんのじゃが……どう亡うなったんじゃ」
洲鎌丈一郎 「ああ……いや、病気でね」
KP
丈一郎によると、あかりの遺体は火葬されておらず、島の西の端にある海蝕洞(かいしょくどう)の中に置かれ、洗骨を待っているのだという。
これについては、生前のあかりのたっての希望だったそうだ。
この話について【《歴史》《オカルト》《人類学》】で詳しい情報を知っているだろう(同情報)。
百々千翁
「洗骨……」
CCB<=81 【人類学】 (1D100<=81) > 74 > 成功
KP
【人類学情報】
沖縄の一部地域には、風葬の後に遺骨を綺麗に「洗骨」する、という風習が存在する。
崖(パンタ)や洞窟(ガマ)に遺体を置いてから数年後、親族で遺骨を一つひとつ洗っていくのだという。
洲鎌丈一郎
「子どもの頃からずっと沖縄の風習とか歴史とか調べて、そのまんま研究者になるような子だったから……
できることなら、自分もそうしてほしいってな」
「……だから明日は、あんた方が帰った後に骨を洗いに行くんだよ」
百々千翁 「さようか……」
洲鎌丈一郎 「ああ。………」
百々千翁 「海蝕洞はここから近いかえ?」
洲鎌丈一郎
「近いっちゃあ近いが……いや、歩くとなるとちょっと遠いかな。
一、二時間くらいは見ておいたほうがいいね」
百々千翁
「なるほどの……陽介の手帳には、あかりさんが還ってくるとあってな。娘さんの痕跡をひとつひとつ、丁寧に追う必要があるやも知れぬ」
「……早いうちに見つかるとええがの」
洲鎌丈一郎
「ああ。近くまで来てるって言うなら、顔くらい出してくれてもいいと思うんだがね……」
「あかりが還ってくるなんて、なあ」
KP
両親の表情はより一層暗くなり、丈一郎と佳恵は顔を見合わせるだろう。
佳恵の方は今にも泣きだしそうな顔でうつむいている。
百々千翁 ……何か知っておる様子なのか、娘のことを思い出して悲しくなっておるのか
KP 耐えきれずに悲しそうな顔をしているようですね。
百々千翁 さようか……この話、長く続けるわけにはいかなそうじゃな
洲鎌丈一郎
「家の中でも外でも、見て回るって言うなら好きにしてくれて構わねえから。
一応、外出るときは声かけてくれたら行けそうなところは教えるよ」
KP 丈一郎の方はそう言って、無理やりに笑顔を作って見せた。
百々千翁 「承知した。儂らはしばらく、あかりさんの部屋を調べよう」
洲鎌丈一郎
「ああ。わかった。
どうぞ……よろしくおねがいします」
百々千翁 (早々に失せた方が夫妻も悲しみを殺さずに済むじゃろうて)
KP
グラスに残っていた小さな氷が溶け落ちて、風鈴の代わりに鳴った。
……以降、家の中や島の中を自由に探索できることでしょう。
家の中の探索箇所は以下の通り。
KP
【探索可能箇所】
・[仏壇]
・[本棚]
・[水槽]
・[家の外に出る]
百々千翁 順に見るとするか。まずは仏壇から、あかりさんに挨拶じゃ。
KP
承知いたしました。
[仏壇]
隣の畳の間を覗くと、鮮やかなフルーツと花が目に付く。
床の間のようにくぼんだ場所に、蝋燭や香炉 などが置かれた仏壇であった。
その一番上には、黒い漆塗りの表面に金色の装飾が施され、中に文字の刻まれた赤く艶つややかな札が収められた、位牌らしきものが置いてある。
位牌について【《歴史》《オカルト》《人類学》】で詳しいことを知っているだろう(同情報)。
百々千翁 CCB<=81 【人類学】 (1D100<=81) > 56 > 成功
KP
【人類学情報】
この位牌は沖縄位牌(ウチナーイフェー)と呼ばれるものだ。
数代にわたって継承し、中の赤い札に戒名や没年月日を刻んでいく。
また貴方がそれを観察していると、その位牌の一部に、あかりと思しき人物の戒名が刻まれていることがわかるでしょう。
百々千翁 ほう、どんなじゃ
KP 記載がありませんが不自然な名前では無さそうです。
百々千翁 なるほどの。沖縄の流儀は知らぬが、ここに正座して手を合わせるかの。
KP 貴方が仏壇に参っていると、背後から声をかけてくる者がある。
洲鎌佳恵
「あらまあ、ありがとね。
花や果物が好きな子だったから、こうやってかかさず供えるようにしてるのよ」
KP 仏壇を眺めながら、佳恵は独り言のように呟く。
百々千翁
「花と果物か……良い。植物は太陽を浴びてすくすく育つからのう」
「とりわけてあかりさんが好きだった花や果物があったりするのかのう? 儂は息子に花なんぞのことを時々教わったりするのじゃが」
洲鎌佳恵 「そうね……特に好きな花がっていうのは無かった気がするけれど、でも本島の方のお家じゃ自分でも育ててたみたい」
百々千翁 「があでにんぐか、なるほどのう」
洲鎌佳恵 「そうね。たまに珍しいお花が上手く咲いたりすると写真を送ってくれたりしたわ」
百々千翁 「写真か……他にも写真を送ってきたりしてくれるんかのう。見てみたいものじゃが」
洲鎌佳恵
「写真……あかりの部屋の本棚に、アルバムを一冊置いてるわ。
気になるなら見てもらっても構わないわよ」
百々千翁
「承知した」
「……あかりさん、洲鎌のご先祖さま。これから陽介クンを探して参る。どうぞ、見守っててくれ」
洲鎌佳恵
「………」
眉を下げてその様子を見ている。
KP 仏壇で得られる情報は以上です。
百々千翁 うむ。さて……立って、あかりさんの本棚を見に行くとしよう。
KP
承知しました。
[本棚]
家の隅にある立派な本棚。
沖縄の民俗学について記されたものを中心に、書店で手に取れるような概説書から、パラフィン紙がかけられた古書まで、さまざまな本が隙間なく並べられている。
両親いわく、昔から収集している本に加えて、本島の家(陽介とあかりの住まう家)に収まらなかった本もここにあるらしい。
百々千翁 実家を物置にしおって……(心あたりのある顔)
KP 心当たりがある……ふふふ
KP 本棚に対して【《図書館》《目星》】ができるでしょう(同情報)。
百々千翁 CCB<=75 【図書館】 (1D100<=75) > 69 > 成功
KP
【図書館情報】
では、貴方は佳恵から話を聞いていたこともあってか、大量の蔵書の中に一冊、学術書ではない本が混じっていることに気がつく。
百々千翁 長男が勝手に蔵を使うんじゃー!(ジタバタ
KP ページをめくってみると、それはたくさんの写真が収められたアルバムだった。
百々千翁 「……これがくだんの」開こう
KP
ぎこちない笑顔を浮かべる陽介と、両手を広げて画面いっぱいに写るあかりの写真だ。
後ろに写る風景の場所や季節はさまざまで、その多くは国内や海外の観光名所である。
百々千翁
「ああ……楽しそうじゃな」
「しかしこの陽介という男、ヨメの前でもうちぃと愛想よくできんものか」
東 幸平 「それでも結構笑ってる方ですよ」
KP 近くで同じようにアルバムを眺めていた東が口を開く。
百々千翁 「ブリキ製か、こやつは」
東 幸平
「ま、下手くそな笑顔ですがね。
嫁さんの前ではいっそう、よく笑ってましたよ」
KP
その他、アルバムには、よく取り出してみているのだろうな、という痕跡があるくらいで他には特に気になる部分は無さそうです。
本棚から得られる情報は以上です。
百々千翁 ふむ……最後に水槽を見てみるかの
KP
はい。では、水槽に移動いたします。
[水槽]
ぼんやりと白く濁った水の中で、大きな金魚が悠々と泳いでいる。
これだけの大きさとなると、かなり長い間飼っているのではないだろうか。
しかし、よく見てみると、この金魚には片方の目が無い。
周囲の肉が抉れているところを見るに、先天的なものではなさそうだ。
水槽については以上です。
百々千翁 「片目……水槽の中でぶつけたのかの」
東 幸平
「なんですって? ……あ、たしかに。
かたっぽの目が無くなっちまってますね……」
百々千翁
「可哀想にの」
水槽の中に目はあるか
東 幸平 「ええ。前からこんな風なのかな……」
KP いえ、ございません。
百々千翁 傷は塞がっとる様子か
KP
そうですね。
つい今しがたできた、とような傷では有りません。
百々千翁 「前からある傷のようじゃな」
東 幸平
「なるほど。でも、生まれたときからあるって感じじゃあなさそうですよね。
洲鎌さんならなにかご存知でしょうか……」
百々千翁 「出かけがてら、聞いてみるとしよう」
東 幸平
「そうですね。
ぐるっと島を見て回る必要もありますし」
百々千翁 そろそろ外に出る準備をせにゃあなあ、と腰を上げながら呼ぼか
KP あなた方が家の外へ探索するために丈一郎の姿を探すと、程なくして見つかるだろう。
洲鎌丈一郎
「ああ。
出かけるのかい」
百々千翁
「そうしようと思うてな。あの金魚はたまげたのう、えらい立派じゃ」
「しかし片目が潰れてしまっているのがかわいそうじ。事故でもあったのう」
洲鎌丈一郎
「金魚を見たのかい。
そうだろう、長いこと飼っててね」
「ん……ああ、それな……。
生まれつきや、事故ってわけじゃあ、無いんだが……」
KP
貴方が丈一郎に尋ねてみると、口ごもるでしょう。
少々話しづらそうにしている。
詳しく聞きたい場合には何らかの《交渉系技能》に成功する必要があるだろう。
百々千翁
ほぉん…
CCB<=70 【説得】 (1D100<=70) > 67 > 成功
「儂も金魚には目がのうてな」
「こそっと教えてくれんかの。気になると眠れないんじゃ~」
KP 素晴らしい。では……
洲鎌丈一郎 「ん、ん~……まあ、そうだな……」
KP さらに詳しく聞くと、丈一郎は誰もいない庭の方を気にしながら、小さな声で話し始めるだろう。
洲鎌丈一郎
「これくらいの時期になると、いつもより神様の気性が荒いっていうのかな」
「たまにこうやって魚の目を取ったり、つむじ風で人の腕や足に切り傷を作ったりするんだよ」
百々千翁 「……神、か……」
洲鎌丈一郎 「よその人が来たからってそんな悪戯はしないと思うけど、森のほうに行くなら気をつけてな」
百々千翁
(荒魂か?)
「禁忌とされている事はあったりするのかえ?」
洲鎌丈一郎
「いやあ……どうかな。
昔はきちんと神様を祀る場所があって、そういう決まり事もあったんだろうけど」
「ユタ……お祭りを仕切る人が亡くなってからは、もう誰もその神様を祀ってなくてね。
あったとしてもわからないだろうと思うよ」
百々千翁 「それはぞっとしない話じゃ。その神の名前も忘れられてしまったか」
洲鎌丈一郎
「うん……そうだな。
知ってる人も、もう皆亡くなっちまっただろうな」
百々千翁 (厭な話じゃな…良い予感はせん。森に行くならば気をつけろ、か…)
洲鎌丈一郎
「森の西の、奥の方に御嶽(うたき)があってよ。そこで祀ってたみたいだよ。
まあもう誰も手入れしてないだろうから、随分荒れてしまってるだろうな」
百々千翁
「ウタキ…心得よう」
「そういえば、『奥屋島』というのは古くからの呼び名か?」
洲鎌丈一郎
「うん? どうだろうかね。
俺たちが生まれた時にはもう奥屋島(オウヤ―)だったと思うが……」
百々千翁
「オウヤ……」
「ちょっと思うところがあったのじゃが、ここは漁をすると言っておったな」
洲鎌丈一郎
「ああ、そうだね。
俺も船で魚をとってるよ」
百々千翁
「なれば、水神を信仰するのがごく自然なのやもしれんのう」
「島には神が住まうと言う」
「…仙人が住まうという話もあるがな」
「弁天、蓬莱…」
「案外、この島の名前が神の名を借りているのやもしれんな」
洲鎌丈一郎
「ああ、あかりもそんな感じのこと言っとったね。
シノミヤさんもそっちの方に詳しいのかい。道理で」
百々千翁 「儂は人類学や天文学、占星術を生業としておっての。ほうか、あかりさんとは気が合いそうじゃ」
洲鎌丈一郎
「……ああ、勉強熱心な子だったからね。
きっと色々と聞きたがったと思うよ」
百々千翁 「ふふ。では参るかのう」
洲鎌丈一郎 「おっと、出かけるんだったな」
KP
外に出る場合、丈一郎がこの島の地理について簡単に教えてくれる。
島の中央から西側にかけてのほとんどは森林である。
森の北の方には御嶽(うたき)という、琉球の神々が御坐す聖域があったそうだが、その場所を詳しく知る人はいないそうだ。
森を越えた先の西端は海食崖になっており、波に深く削られた海蝕洞(かいしょくどう)が多くあるそうだ。
KP
【探索可能箇所】
・[洲鎌家の墓]
・[御嶽]
・[海食崖]
百々千翁
んにんに…海蝕洞に行くのであれば森を通過せねばならんか
先に墓参りとしよう
KP
承知いたしました。
【洲鎌家の墓】
森に差し掛かる少し手前にある亀甲墓(沖縄で見られる墓様式)である。
いくらか苔生してはいるものの、敷地内に雑草らしい雑草は見当たらず、夫婦が日頃から丁寧に手入れしているのが窺える。
墓のすぐそばには鮮やかな色彩の花々が供えられている。島に住む人々が時々墓参りに来てくれるらしい。
ハイビスカスやブーゲンビリアなど、沖縄に生えているものばかりだと分かる。
墓に対して【《目星》】が振れる。
百々千翁
「ここの蝉は面白い鳴き方をするのう。五月蠅く無くて良いわい」
CCB<=50 【目星】 (1D100<=50) > 21 > 成功
KP
【目星情報】
供えられている花の中に一つ、白い花が見つかる。
少しばかり茶色く変色していることから、ドライフラワーであると分かる。
さらに《知識》に成功すれば、花の種類がわかるでしょう。
百々千翁 CCB<=99 【知識】 (1D100<=99) > 74 > 成功
KP
【知識情報】
あなたはその花がすずらんの花であると知っている。
百々千翁 「……ほう、これは…鈴蘭…沖縄にか」
東 幸平
「沖縄のセミなんですかね。たしかに特徴的な……」
「へえ、沖縄にもあるんですね。
……でも一輪だけか」
百々千翁
「沖縄と本州とでは生態系が違うからのう」
「鈴蘭なぞ珍しい事もあったものだ。しかし、ドライフラワーということは日持ちしそうじゃな」
「主人。これはいつからあったか覚えておるか」
KP おっと、なるほど……
百々千翁 お、主人はおらなんだか
洲鎌丈一郎
「……ん?
いや、この前見たときはなかったはずだがな。
いつの間にあったんだか……」
すずらんのドライフラワーを見て首を傾げている。
洲鎌丈一郎
家にいると思ってたな。
ついてきていることにしようかね。
百々千翁 「…そも、鈴蘭はこの島では見かけぬか」
百々千翁 ありがたい
洲鎌丈一郎 「そうだな……少なくとも俺は、この島でその花が咲いてるのを見た覚えがないね。………」
百々千翁
(北海道…北の印象があるな、鈴蘭は)
「誰かが本州から持ち込んできたのかもしれん。わざわざドライフワラーにして花粉を殺し、結構な手間だ」
洲鎌丈一郎 「外から……そうかもしれないね」
百々千翁 (となると…陽介と考えた方が自然か?)
KP 洲鎌家の墓で得られる情報は以上です。
百々千翁
あいわかった。
墓参りが終わってから…さて、森へ参るかの
主人はどうする? ついてくるのか
KP
了解です。
では、丈一郎はあなた方を見送るでしょう。
洲鎌丈一郎 「気いつけてな。さっきも言ったとおり、いたずらなんかはされないとは思いたいが……」
百々千翁
「いたずら小僧なぐらいが元気で可愛げがあるじゃろうて」
「儂は良いから家でヨメさんを守っておやり。外のもんがずいぶんと踏み込んでしまって悪かったのう」
洲鎌丈一郎
「いやあ……ありがとうよ。
それじゃあ、暗くならないうちに戻って来いよ」
百々千翁 「はいな」
KP
あなた方は丈一郎にいっときの別れを告げて、森へと向かうだろう。
あなたがたは、御嶽に向かうため木々の間を抜けて森へと入っていく。
すっかり見えなくなった紺碧の空の代わりに、青々と茂る植物が視界を埋め尽くした。
植物に明るいものなら、きっとこの森は色鮮やかに写るのだろう……詳しくないものであっても、自分の記憶にある草木とは重ならぬ葉の形や、生き生きとした曲線を描く木の幹や蔓など、自分を飽きさせるようなものは一つもなかった。
[御嶽があった場所]
森に入ってから数時間が経った。
より鬱蒼と茂った草木に遮られ、陽光はみな砕けて木漏れ日になった。
どこかから、知らない鳥の鳴き声が聞こえてくる。
相変わらず風はなく、湿った空気の塊を掻か き分けていくうちに、流れ出した汗で背中に服が貼り付く。
ふと周りを見渡してみると、木々の間にいくらか人が削ったような岩が見つかる。
もしかしたら、このあたりに御嶽と呼ばれる場所があったのかもしれない。
東 幸平
「へえ……ここが御嶽……? ってやつですかね。
なんだかもう、ほとんど何にも無くなっちゃってるな」
汗を拭きながら、あたりを眺めている。
百々千翁 「……こうしてその地にあった信仰は忘れられていくんじゃのう……」
東 幸平 「信仰か……」
KP その場に【目星】を振ることができるでしょう。
百々千翁
CCB<=50 【目星】 (1D100<=50) > 70 > 失敗
老眼ぢゃ
KP
惜しい……!
では、貴方は見慣れぬモニュメントじみた岩ゝや、不思議な痕跡に目を取られる。
もし、その場何かあったとしても見落としてしまったのだろう。
百々千翁
何か字の掘られたものなぞ見失ったのじゃろうなあ
古い神の名なんぞあってもおかしくはなかろうに。
KP
そうですね、そのような上手く読み取れないような風で削られた文字などが書いてあったようにも見えるかも知れません。
では、貴方がそういった岩などをじーっとよく見たり、あるきまわったりしていたところ……
《聞き耳》が振れます。
百々千翁
CCB<=50 【聞き耳】 (1D100<=50) > 66 > 失敗
爺の耳は遠かったな☆
KP なるほど……。
東 幸平
s1d74+25 目星の値 (1D74+25) > 14[14]+25 > 39
s1d100<=39 (1D100<=39) > 93 > 失敗
「……なんにも無さそうですね。戻りましょうか、先生」
百々千翁 「そうじゃな…」
KP では、最後に《幸運》をどうぞ。
百々千翁 CCB<=75 【幸運】 (1D100<=75) > 16 > 成功
百々千翁 その目をさっき出さんかのう
KP
それでは、その場を立ち去ろうとした貴方は、不意に何かを思い切り踏みつけてしまうだろう。
ぐに、となにかが足の下で捻じ曲ったような気がする。
KP ふふ、とてもいい出目でしたね…。
百々千翁
「……ほや」
「ぐに…?」見てみるが…
KP
見下ろしてみると、そこにあったのは銀縁眼鏡のフレームだった。
何者かに踏みつぶされたように拉げて、レンズはほんの欠片しか残っていない。
どうやったらこんな壊れ方になるのか……。
百々千翁 「……眼鏡じゃ」拾い上げる
東 幸平
「ん? どうかしましたか、先生。
……あ」
百々千翁 「どうかしたか東」
東 幸平
「これ……似てますね。
陽介の眼鏡に似てる。
こんなに壊れちまったら分かんねえけど……」
KP そういって、貴方の手の中のフレームを見つめるばかりだろう。
百々千翁 「…知っておるのか?」
東 幸平
「ええ、あいつがかけていた眼鏡に似てる……と思います。
どうしてこんな場所に……」
百々千翁
「…陽介のものか…」
「……あたり一帯、丁寧に調べ上げた方がよさそうじゃな」
とはいってものう…
東 幸平
「……っていっても、俺たち二人じゃ難しそうですね。
かといって、警察が動いてくれるとも……」
百々千翁 「…仕方がない、日を改めて人を集うか」
東 幸平
「協力してくれるやつがそんなにいればいいんですが。
まあ、いざとなったら金で人を雇うのも有り、ですかね」
KP 御嶽で得られる情報は以上となります。
百々千翁
承知した。
ではこのまま森の中を進んで…海食崖に行くとするかのう。
KP
承知しました。
あなた方は来た道を少々戻り、更に西の方へと進んでいく。
[海食崖]
岩に着生した苔に足を滑らせ、見逃した蜘蛛の巣を振り払い……疲労で身体が重くなってきたころ、あなたはようやく島の西端へと辿り着いた。
切り落とされたように緑が無くなった足元から、石灰岩質の白っぽい海食崖が続いている。
ところどころに見える窪みや穴の一つに、あかりの遺体が収められているのだろうか。
ゆっくりと視線を上げてみれば、潮汐(ちょうせき)に削られたのであろういくつかの岩の向こうに、凪いだ海が続いていた。
島の一つも見当たらず、ただ、海があった。
緩やかな斜面を選んで下れば、波打ち際まで降りること自体は難しくないだろうと思える。
百々千翁 「ぺっぺっ。蜘蛛の巣じゃあ」
KP
東 幸平
「大丈夫ですか先生。
っても、俺にもだいぶくっついてるが……」
蜘蛛の巣を払っている。
KP 《目星》を振ることが可能です。
百々千翁
CCB<=50 【目星】 (1D100<=50) > 55 > 失敗
蜘蛛の巣で気が散ってしもうた
KP
お、惜しい…!
では、何かが目の前を横切った気がしたが、貴方はその向こう側に広がる大海や、その漣の様子に気を取られる。
ざあざと、波の音が満ちていく。
ふと気がつくと、そのなにかを見失っていた。
海食崖で得られる情報は以上です。
百々千翁
「──?」
承知した。ではもう今日のところは帰るとするかのう。
KP 承知いたしました。
東 幸平 「ここには……陽介が来たような痕跡はありませんでしたね」
百々千翁 「そうじゃな…あかりさんを追ったのであればよもやと思ったが」
東 幸平 「……そうですね、靴なんかがあれば……」
KP 東は海の向こうの方をぼんやり眺めていたが、貴方が去ろうとしているのを見てついてくるだろう。
百々千翁 「……崖に靴なんかあったらおっかないじゃろうが」
東 幸平
「……はは、まあそうですね。
何にもなくてよかった」
百々千翁 「…無い方がええ、何にも見つからん方がええ……」
百々千翁 そう思うとるから目が悪いんじゃのう
東 幸平 「……はい」
KP
あなた方は海食崖をあとにするだろう。
日が傾くにつれて、森の表情も変わっていった。
光よりも陰が目立ち始め、今まで押し黙っていた虫たちが鳴き始める。
立ち止まってみれば、ゆっくりと吹き始めた生ぬるい風が頬を撫ぜた。
百々千翁 「いかん、もう日が暮れる。東、はよう」
東 幸平 「ええ、思ったより早く暗くなっちまいましたね……」
KP
そう言って、東があなたの方を振り返る。
《幸運》をどうぞ。
百々千翁 CCB<=75 【幸運】 (1D100<=75) > 66 > 成功
KP 耳元で甲高い、笛のような音がした。
東 幸平 「いてっ…」
KP その直後、目の前の東が声を上げ、顔を押さえてうずくまる。
百々千翁 「東?」
KP 見てみると、目のすぐ下の鋭い切り傷から赤い血が流れ落ちていた。
百々千翁 「……なんじゃ、これは…これが……?」
東 幸平
「木の枝か何かで切りましたかね……
大丈夫です、傷はそんなに深くないですから」
KP
彼はそう言うが、近くに顔を切るような木の枝は一つも見当たらなかった。
SAN 0/1
百々千翁
CCB<=75 【SANチェック】 (1D100<=75) > 22 > 成功
「ちぃともようないわ。こりゃあ、カマイタチか何かかもしれんのう」
東 幸平
「カマイタチ、ですか。
なるほど……聞いたことはあっても、食らったのは初めてですね。……いてて…」
百々千翁 「洲鎌の家に着いたらお見せ」
東 幸平
「ああ、すみません。
心配おかけします」
KP
その後、家に帰り着くまでは何も起こらないだろう。
家に帰り着いたころには夏の長い陽もすっかり沈んで、境目のないなだらかな色彩が空を覆っていた。
東から夜がせり上がり、まだ明るい西の空の方へとゆっくり溶けてゆく。
洲鎌家から漏れてくる光の他に、あなたたちを照らすものはなかった。
洲鎌丈一郎
「おう、おかえり。
もう飯が出来てるから早く上がりな」
KP 縁側に顔を出した丈一郎が手招く。
百々千翁
「すまんが、その前に消毒液と絆創膏なぞあらんかね」
「東がちょいと怪我をしてな」
洲鎌丈一郎
「消毒液? 怪我か、そりゃまずい。
かあちゃん、救急箱」
洲鎌佳恵 「はいはい」
KP
佳恵が家の奥から救急箱を持ってきてくれるだろう。
フレーバーですが、応急手当か医学をお振りになりますか…?
百々千翁
では振るとしよう
CCB<=46 【医学】 (1D100<=46) > 88 > 失敗
ひゃはっ☆
「見れば見るほど面白い傷じゃのう」
いじ…いじいじいじ
東 幸平 「面白いってなんですか……いて、いててて」
KP
了解です。
ではあなたは、東の傷口に少々消毒液を多めに塗りつけたり、赤チンをべったりつけたりするだろう。
それでも一通りの治療はできたようで、東の目の下にはガーゼがぺたりと貼り付けられた。
百々千翁 「安心せい。うちのワルガキどももこうすればおとなしゅうなったし傷もふさがったわ」
東 幸平
「いや、けど、消毒液多くないですか。
いっ……って…」
「はぁ…はぁ………ありがとうございます。
とりあえず、菌か何かが入ったらやばいなと思ってたので」
百々千翁
「うむ」
「くるしゅうないくるしゅうない」
東 幸平 「………」(感謝と痛みの恨みが混ざった表情
KP では、東の治療を終えた後、居間に出向けば机に再び並んだたくさんの料理と、最初に会った時と同じ笑顔を浮かべた佳恵が2人を出迎えてくれる。
品 (だから長男帰ってこねえんじゃねえの…?)
百々千翁 「今夜もまた豪勢な」
KP ふふふ…
洲鎌佳恵
「せっかく来てくれたお客様だからね。
美味しいものいっぱい食べてもらいたくって」
「たくさん召し上がってね。
まだあるから」
KP 佳恵はニコニコと料理を勧めてくれるだろう。
百々千翁 ではいただくとするかのう
KP
そこから眠るまでの時間は実に和やかなものだ。
食事を続けていると、丈一郎が口を開くだろう。
洲鎌丈一郎
「そういえば、シニモドリ……だっけか。
あんたに言われた後、それの話がないかって考えてたんだが」
百々千翁 「うん?」
洲鎌丈一郎
「あんたの知りたい話とあってるかどうかわからんが……」
「沖縄じゃ、亡くなった方の魂があやはびら……きれいな蝶になるって伝承があるとか、昔あかりがいってたっけなぁ……」
KP と、懐かしむように話してくれる。
百々千翁
「蝶か…なるほどのう」
「それらはどこへ行くのか、聞いてはおらんかの」
洲鎌丈一郎
「うん。それくらいしか思い出せなくてな。
どこに行くか、ってのはわからんね」
百々千翁 (あかりさんの部屋にあやはびらについての書籍があったりするのかのう)
KP 存在すると思われますが、どこにいく、というよりその姿になる、それはどういう意味か、どのように捉えられているか、というような内容が書いてあるかと思われます。
KP つまり、本の内容は生えます。
百々千翁 なるほどのう…
百々千翁 (まあおそらく、他の地域にもある蝶の話と同じようなものじゃろうて)慢心
KP その他、特に聞くこと等がなければ就寝することになるでしょう。
百々千翁 眼鏡のことはひとまず黙っておろうか。そろそろ寝るとしよう。
KP 承知いたしました。
KP
といったところで、だいたい6,7割ほど進んできたことになります。
ご休憩などは大丈夫だったでしょうか。
百々千翁 おお、早いのう。休憩は…そうじゃな、まだ大丈夫じゃ。
KP
承知いたしました。
それでは続けてまいります。
百々千翁 何か考える場面になったらこちらから申し出ることはあるかもしれんがのう。
KP 承知いたしました。その時は改めて、休憩時間を取らせていただきますね。
KP
食事と風呂を終え、あなたたちは眠ることにした。
風鈴は穏やかな風に揺れて、透き通った音を響かせていた。
明日の昼には帰らなくてはならない。けれど、今だけはこの涼しげな音色に身を委ねていたい……。
そんな時、縁側の方からからりと、風鈴とは違う音が聞こえてくる。
百々千翁
「……」
(うん?)
KP そちらに向かうことも、構わず眠ることもできます。
百々千翁 向かおう。静かに。
KP
承知しました。
縁側の方へ行ってみると、そこには庭の方を見つめる東の姿があった。
一人で酒でも飲んでいたのか、その傍には汗をかいたグラスが置いてある。
百々千翁 「あ! なぁにをしとるか東! 儂にも内緒で晩酌なんぞ!」
東 幸平
「おわっ!?!?」
「な、なんだ……先生か。びっくりした……」
百々千翁
「呑むなら儂も誘えばええじゃろうに、いーつからおまえさんはつれない弟子になったかのうー」
よっこらせと隣に座るぞ
KP 東は起きてきたあなたに気付くと、ひとしきり驚いたような顔をしたあとで、ふと柔らかい笑顔を浮かべるだろう。
東 幸平
「もう眠ってしまわれたかと思いまして。
……俺はちょっと眠れなくて、こっそり飲んでたんですよ」
もう一つあったグラスを取り出して、お酒を注ぐ。
KP そうしてまた庭の方に向き直るだろう。
百々千翁
「…む。グラスが二個ある。周到なことだ。許そう」
「……それで、何を考えておったのじゃ」
KP
月光がグラスを通り抜け、縁側で揺蕩っている様は、どこか昼間に見た海に似ていた。
東はしばらく何も言わないが、グラスの中の酒がすっかり無くなったころ、独り言のように呟く。
東 幸平 「先生、もし陽介が見つかったら、俺は何て声をかければいいと思いますか」
百々千翁
「それはおまえさんの胸の内に聞くことじゃ」
「儂なら『さんざ心配かけさせおって、阿呆!』とげんこつの一つでもくらわせてやりたいがな」けらけら
東 幸平
「……それで、いいんですかね」
「今日、御嶽の方を見に行った時、眼鏡が落ちてたじゃないですか」
「明日は丈一郎さんや、佳恵さんが言ってたとおり洗骨もある」
「……俺、きっとあいつはこの島にいると思うんですよ」
「嫁さんの実家にすら顔を出してないのにも、あいつなりの目的があるからだと思ってて……」
百々千翁 「親友にも黙ってか」
東 幸平
「……ええ」
「怖いんです」
「何か変なこと考えてるんじゃないかって……」
「亡くなった大事な人は絶対に戻ってこない。
戻ってこないんですよ」
「だから、分からなくなっちまって……」
KP などと話し、再び黙り込んでしまう。
百々千翁
「……儂もな。ずいぶん昔に、前の妻を亡くしておる」
「…あれもな、妻を亡くしてからおかしくなって家を出た」
東 幸平 「……息子さん、でしたよね」
百々千翁
「『己がそうであったから』といって、立ち直れだの吹っ切れだのは言えん」
「そうじゃ。馬鹿息子じゃ」
「……よからぬものに手を出すのも、新しい妻を迎えるのも、人によって答えは違うじゃろうて」
「わかっとるから押し付けたりはせんがな…そのような無粋な真似はせんがな…じゃが、寂しいじゃろう。その陽介という男のなかに、本当にあかりさんしかいなかったのじゃろうか」
「……部外者だと言われているようで、腹が立たんか。怒ってええんじゃぞ」
東 幸平
「……怒る…」
「………」
百々千翁
「あちらさんが勝手にするならば、こちらも勝手をさせてもらうまでじゃ」
「……駄々っ子かのう……」
東 幸平
「……いえ、そんなことありませんよ。
俺は……いまみたいなことになると思ってなかったから、まだうまく考えがまとまってなくって…」
KP 不意に、彼は勢いをつけて立ち上がると、東はまた柔らかい笑顔を浮かべる。
東 幸平
「すみません、夜中にこんな話して。
明日も色々と探してみましょう」
百々千翁 「哈哈。夜更かししては明日に差し支えるからのう。さて酒を一杯…」
東 幸平
「はは、まだ呑まれますか。
程々にしておいてくださいよ」
百々千翁
CCB<=(8*5) 【CON】🍶 (1D100<=40) > 56 > 失敗
「……東」
KP
といって、とくとくと酒を注いでいくだろう。
なんと……
東 幸平 「なんです?」
百々千翁
酒を飲むかのう
「寝るからつれていけ」ばたん
東 幸平 「あっ……先生……言わんこっちゃねえや…」
KP
東は慌てたように縁側に倒れ込んだ貴方を方に抱え上げたかと思うと、布団が敷いてある部屋に連れて行くだろう。
貴方が深く眠りについたのを見届けたあと、
「……本当に、ありがとうございます」と口にして、自らも自分の布団で眠り始める。
百々千翁 東はええ子じゃのう
東 幸平 いやあ! あはは、先生の教え子ですからね。
KP
真夜中。あなたは耳元のざわめきに目を覚ました。
家の中だというのに、海辺の潮騒(しおさい)がすぐ近くで聞こえた、そんな気がしたのだ。
百々千翁 (ぐぅ…ぐぅ…んむ?)
KP 思わず周りを見渡すと、近くの障子の隙間から静かな月明かりが射しこんで──縁側に佇むのは青白い蝶だ。
百々千翁 「……あかりさん?」
KP あなたが身体を起こすとすぐ、蝶はゆっくりと家を離れ、森の方へと消えていってしまった。
百々千翁 追えるか、今の
KP 追いかけられます。
百々千翁
「東!」
東も起こそう。
東 幸平
「うぇっ…!?
は、はい…?」
百々千翁 「森じゃ、森に向かうぞ」
KP 東は眠たそうな顔で起き上がってくるだろう。
百々千翁 「『あやはびら』じゃ」
東 幸平
「わ、わかりました……?
……あやはびら……蝶…?」
百々千翁 「さよう、あの白い蝶じゃ。追うぞ」
KP
東はうなずくと、貴方についてくるでしょう。
森は沈黙していた。
頭上からわずかに降り注いでいた月の光すら、いつの間にか空に立ち込めてきた暗雲に阻まれたか、ついに息を潜めた。
周りの木や岩から輪郭線が失われ、形あるものは自分だけとなった。
空中を音もなく揺れる蝶は、そのまま島の西の方へと飛んでゆく。
気ままに飛んでいるだけの昆虫なのか、はたまた自分たちを導いている灯火なのか──
いつしか森を抜け、海食崖に辿り着いた。
闇夜の向こうに海は見当たらず、ただ潮騒だけが響いていた。
崖の下を照らしてみてもざらついた岸壁が数メートル照らせる程度で、手元の灯りはひどく頼りない。
あなたが底知れぬ闇に戸惑っていると、目の前を白く小さな何かが横切る。
百々千翁 「……!」その白い影を追うぞ
KP
訳もなく追ってきたあの蝶が、気付かないうちにあなたの周りで踊っていたのだ。
何度か身体をくすぐってから、蝶はあなたのもとを離れ、崖を下りていく。
そちらの方を見てみると、幾分かなだらかで歩きやすい坂が続いているようだ。
百々千翁 「……案内…しているのか、あの蝶は」
KP
海面が遠い。これほどまでに高い崖だっただろうか。
滑り落ちないように一歩、また一歩と、足元を確かめながら下りた。
何も確かなものはなかった。
このままどんな海溝よりも深く、光の届かない場所へと下りてしまうのではないか……そんな疑念がわいたころ、ちゃぷん、という軽い音とともに、靴の中に水が浸み込んできた。
目の前には小さな洞穴が空いていた。
潮が満ちてしまえば、誰も気づかないような洞穴だった。
蝶は確かにその中へと入っていった。
百々千翁
「…そこにいるのだな、あかりさん」
「東、あそこのようだ。行くぞ」
蝶に続いて入ろう。
東 幸平
「は……はい」
KP
洞穴の中を照らしてみれば、すぐに奥まで見通せた。
流れ着いて重なった流木の向こうに、黒ずんだ大きな木箱が置いてある。
洞穴の壁に反響しているからか、自分の呼吸音がやけに煩かった。
東はそこへたどり着くと、ただただその場に立ち尽くしているようだった。
百々千翁
「…どうした、東」
「歩けぬのか」
東 幸平
「……いや…」
「………」
KP 木箱を調べることができます。
百々千翁
「……」
東、怯えておるのか? 先に心理学は可能か
東 幸平
s1d100<=80 (1D100<=80) > 30 > 成功
【心理学情報】
どうしていいのか、どうするべきなのかわからないようです。
百々千翁
(……確かに、奇怪なことが起きているが)
では木箱を調べるとしよう
KP 箱を開けてみると、箱の底に一枚の紙切れが落ちているだけで、あかりの遺体らしいものは入っていなかった。
百々千翁 「…なんじゃ? 紙?」
KP
紙切れを拾い上げてみると、そこにはわずかに震えながらも丁寧な字で、理解しがたい文言が綴られていた。
あなたはクトゥルフ神話世界における《復活》の呪文を入手する。
(基本ルールブック pp.279-280 を参照)
百々千翁 「………なんじゃ、これは……」
KP また、《目星》を振ることができます。
百々千翁
CCB<=50 【目星】 (1D100<=50) > 87 > 失敗
「………伊崎、陽介……」
KP
では、暗かったためか、それ以上何かを見つけることはできなかったようです。
他にご提案があれば、別の技能で判定することも可能です。
百々千翁 ……やましいことを考えている人間が、どこに物を隠すか。あるいは、簡単に見つからないよう手がかりを置きたいと思うならば、それはどこであるか。<心理学>かのう。
KP それでは、心理学をオープンでどうぞ。
百々千翁
ありがたい
CCB<=80 【心理学】 (1D100<=80) > 74 > 成功
KP
では、他になにか手がかりとなるものはないか、と探すと貴方はふと伊崎の妻であるあかりのことが思い浮かぶだろう。
棺の中には通常、死者が生前好んでいたもの、あるいは残されたものが死者に渡したいと思ったものが置いてあるものである。
そうした考えで、貴方は木箱の中をくまなく探した。すると、一枚の封筒が見つかる。
封が開けられておらず、まだ誰も読んでいないようだ。
封筒の表面にはたった一言
「この手紙は、洗骨のあとに読んでください」
と、丸みのある文字で書かれていた。
百々千翁 「……すまぬがその骨が無いのだ、許せ」封を切る
KP では、目を通されるということで
百々千翁 ああ。そうしよう。
KP
承知いたしました。
[あかりからの手紙]
あかりからの手紙
お父さん お母さんへ
お久しぶりです。いかがお過ごしでしょうか。
死んだあとは、大好きな海の前に置いておいてほしい……という私のわがままのせいで、二度も悲しませることになって
ごめんなさい。でも、これが本当に最期のわがままです。
お母さん、頭から脚の指先まできれいに洗ってくださいね。
何でもゆっくりで丁寧なお母さんなら、骨になってしまった私でも、きっと美しくしてくれると思います。
お父さんは、まだ私の死を引きずっているのではないでしょうか。大好きなお酒もほどほどに、穏やかに過ごしてくださいね。けっして無理せず、できる限り漁師を続けてください。
お父さんが釣ってきた自慢の魚を食べられないのは、悲しいです。
そして、陽介さんへ
陽介さん、まだ泣いていますか。
泣いているとしたら、みんなから「らしくない」と言われそうな男泣きですか。
大丈夫ですよ。
あなたの自慢の元気な嫁は、こっちでも元気にやっています。多分。
こっちもそっちと変わりませんから、また一緒に、色んな所に行きましょうね。
結局行かずじまいだった北海道や台湾。こっちにも、ありますからね。
私はもうそこにはいませんが、あなたが気付いていないだけで、陽介さんを支えてくれる人はたくさんいます。
その人たちと一緒に、毎日を元気に過ごしてください。
これもまた、わがままでしょうか。
短い手紙になりましたが、書けば書くほど辛くなってくるので、元気な私でいられるうちにおしまいにしようと思います。
では、また。お供え物も忘れないでね。
伊崎 あかり
百々千翁 「……だから、鈴蘭だったのか……」
KP 封筒の中身については、以上となります。
百々千翁
……折りたたんで、元の場所にしまおう。
あ、いや………もしも陽介がこの場にいるのなら、2枚目だけは借り受けるか…
KP
了解です。どちらも可能です。
あなたは封筒に、両親にあてたあかりの手紙を戻す。
そして、陽介宛ての手紙を手に取った。
百々千翁
「すまぬ、あかりさん。しばらく貸してくれ。陽介クンにはこれがおそらく必要じゃろうから」
「……海が好き、か……」
蝶を探そう
KP
了解です。
蝶はこの洞窟の中にはもういないようです。
洞窟から出る場合はは先程来た道を戻るしかありません。
百々千翁 ……では東を連れて、来た道を戻るぞ。ゆっくりしている時間は無い。
KP
承知いたしました。
あなた方は慎重に、来た道を戻るだろう。
蝶の姿を、あるいは陽介の姿を探しながら。
耳元のざわめきは潮騒から草木の擦れ合う音へと変わった。
何度歩いても、依然として森の表情は知れない。
だんだんと強く吹いてくる風に流され、べたついた空気はどこかに行ってしまった。
ふと、自分の少し前から足音が聞こえる。
百々千翁 ……慎重についていこう。
KP
一人ではない。
茂みの向こうに目をこらせば、二人の男女が手を繋ぎ、連れたって歩いているのが見える。
後姿を見るに、一人はおそらく伊崎陽介だ。
ひどくおぼつかない足取りだが、まるで散歩でもしているかのように楽しげである。
ただ、もう一人は、人間というには少々不十分で、あまりにも理解しがたい。
青白い灰と砂の塊のようなそれは、腕や脚、頭など、人の形こそしていたが、それ以上のものは何もなかった。
SAN 1/1D4
百々千翁 CCB<=75 【SANチェック】 (1D100<=75) > 70 > 成功
system [ 百々千翁 ] SAN : 75 → 74
百々千翁
(……嗚呼……化け物をつくったのじゃな……)
(儂はおまえさんの尊厳を守れんかったよ、あかりさん……)
KP 陽介ともうひとりは、ただそのまま歩き続けているだろう。
百々千翁
何処へ行くつもりなのか、後をつけてみよう。
森を出て民家に行くつもりであれば、止める。
あれは人の見て良いものではない。
KP どこへ向かう、というわけではないようで、ただ、陽介はもうひとりとともに歩き続けることを楽しんでいるようです。
百々千翁
……声を、かけるか。
「東。良いか」
東 幸平 「……はい」
百々千翁 「……もうし、伊崎さん」
KP 声をかけると、陽介はゆっくりとこちらを振り向きながら
伊崎 陽介
「ああ、誰かな。
今、声をかけてくれたのは」
KP
と、小さな声で呟き、ゆっくりとこちらを振り向く。
だが、彼と目が合うことはなかった。
伊崎 陽介 「………」
KP
眼があったはずの場所には、森や洞穴よりも暗い二つの穴が空き、そこから顎の下までは赤黒い血が流れているのだった。
SAN 1/1D3
百々千翁
CCB<=74 【SANチェック】 (1D100<=74) > 86 > 失敗
1d3 SAN減少 (1D3) > 3
system [ 百々千翁 ] SAN : 74 → 71
百々千翁 「どうした、その目!」
伊崎 陽介
「目…かい…?」
「もうしわけないんだが、よく見えなくてね。
森が暗いからかな、手元や足元だってよく見えない」
「でも、見てくれ。
妻が還ってきたんだ。僕の手をひいて先を歩いてくれる」
「だから、大丈夫なんだ」
KP そう言って、彼は誰もいない方に笑いかける。
百々千翁 「……その妻とゆうは…ぬしに言葉をかけるのか」
伊崎 陽介 「いや……でも今はこうして、一緒に散歩ができるだけで、十分なんだ」
百々千翁 精神分析で、彼の精神状態はわかるじゃろうか。心許ない技能値じゃが。
KP どうぞ。
百々千翁 CCB<=20 【精神分析】 (1D100<=20) > 51 > 失敗
KP
では、伊崎陽介が正気なのか、狂気に陥ってしまったのか貴方には知ることができなかった。
しかし、眼窩からこぼれ落ちている赤黒いそれをのぞけば陽介は至って正常で穏やかな様子に見える。
百々千翁 「……伊崎。なぜ呪文を使った」
伊崎 陽介
「……どうして……
僕は、あかりに還ってきてほしかったんだ。ただ、それだけだよ」
「……御天道さんの下をあるけるような行いじゃないってことは、分かってるんだ」
百々千翁 「それはあかりさんもじゃぞ」
伊崎 陽介 「………」
KP 陽介は黙り込んでしまうでしょう。
百々千翁 「……生前の、あかりさんがおまえさんに宛てた手紙がある」
伊崎 陽介
「……? そんなものが……あったのかい。
どこに……」
百々千翁
「あかりさんは明るくて、元気な女性だったようじゃな。文面からも伝わっておった」
「おまえさんが暴いた木箱からな、見つけたのじゃよ」
「…その目ではもう読むことも叶うまい」
伊崎 陽介
「……そんなもの、見つからなかった」
「こう暗くては、読むこともできないが……
どこにあるのかな」
百々千翁 「…儂が持っておる。何が書いてあったかは覚えておる。望むなら、聞かせてやってもいい」
伊崎 陽介
「ほんとうかい。
……助かるよ」
KP 陽介は微笑んで、感謝の言葉を貴方に告げるだろう。
百々千翁 ……手紙を読み上げ、口伝しよう
KP
貴方がもし伊崎あかりが遺した手紙を読み上げるのであれば、それを聞いた陽介は静かにそれに耳を傾けているだろう。
伊崎あかり、と貴方が締めくくると、陽介はまた口を開く。
伊崎 陽介
「そうか、それが、あかりが遺した手紙の内容なんだね……」
「そうか……」
KP と呟いたきり、下を向いて押し黙る。
百々千翁 「……その、おまえさんが手を繋いでいる彼女は、本当に伊崎あかりか」
伊崎 陽介
「もちろん。……そのはずだよ」
「………」
百々千翁 「何も言葉を発しない、砂のこすれる音をさせる、それがか」
伊崎 陽介 「…………」
品 15分ほど休憩っていただけますかね
KP 大丈夫です!
品
(18時終了に間に合うかな…?)
ありがとうございます!
KP
それでは17:16分頃から…?
そうですね、最後ですから……なんとか……
いえ! 大丈夫です!
それではまた後ほど。
品 しゅん…
KP おかえりなさいませ……
品 おじじがどうするつもりなのかわからんわからん わからんよう百々千ぃ
KP
なるほど……ひとまず、大丈夫になったら(?)再開してまいりましょうか……
ゆっくりで大丈夫なので…(KPもゆっくりなので…
品 ちょっと…ぽつりぽつりと、百々千にしゃべらせていきます……百々千にとってのこうしてほしいはあるにはある…けれどそれを人に強要できるかどうか…
KP 承知いたしました。
百々千翁
「……あかりさんを海に還してやれんか、陽介」
「死んだ者はなんにもならんのに、どうして葬儀というものは面倒な手順を踏んで、飾り立て、人を呼び、送らせるのかとは思わんか」
「おぬしの様な者こそに必要な儀式なんじゃよ」
「結局のところ、この世の人の考える事物はあの世の概念であれ、葬式であれ、今を生きる者のためにある」
「生きるのに必要な心の整理、必要な穴の埋め合わせ、必要な幻想じゃ」
「……あかりさんを還してくれんかのう」
「おぬしが此度の葬送を逃せば、二度と彼女を見送ることができなくなる」
「あかりさんでないものをあかりさんと想い続け、彼女を裏切り続ける。そしてそれはずっと終わらんのじゃ」
伊崎 陽介 「…………」
KP
貴方の言葉に、確かに耳を傾けているようだが、あかりとつないでいる手を離す気配はないだろう。
しかし、あなたは今なら、陽介は抵抗しないだろうと察する。
百々千翁
二人を海辺まで連れて行くことは可能かのう…。
灰と砂と言っておったろう? 水に弱いのかと思ったのじゃが。
KP 海辺につれていくことは可能でしょう。
KP 復活の呪文で蘇った死者は……水に溶ける、のでしょうか…
百々千翁
復活の呪文はそもそも、身体に欠けがあってはならん…だからそもそも、きちんと成功できたわけではないのだろう
骨しかない
肉が無いのだ…
KP
承知いたしました。
……それでは、シナリオ想定の処理をいたします。
百々千翁 承知した
百々千翁
では、二人を海に連れて行こう。波の無い、入り組んだところはあるか
骨が波にさらわれぬように。洗骨は、あのご両親の役目だ。
KP
ございます。
海辺で、二人は佇んでいるだろう。
伊崎 陽介 「ああ……あかり、海の音が聞こえるね」
KP ふたたび、陽介は誰もいない方へと話しかけるだろう。
百々千翁 「……」二人をつれて、浅瀬に入らせよう
KP
陽介は、あかりの手を引いて、海に入っていくだろう。
さて、KP情報ですが。
ここで、復活の呪文を唱えることができます。
百々千翁 なんでじゃ
KP おそらく……成功している、ということなのでしょう。
百々千翁 どこかになにがしかの見落としがあったのじゃな…
KP これは分岐となります。復活の呪文を唱えない、という選択肢もございます。
百々千翁 「……………」
KP
ううん……木箱に遺体が入っていたということなので、全て揃っていたという判定…なのではないかと…… これは推測でしか有りません。
しかし、復活の呪文を唱えるか否かで分岐いたします。
百々千翁 なるほど…あれが歩いていたのはまた別の呪文か
百々千翁
(すまんなぁ、伊崎。東)
(……すまん、リコ坊)
儂は唱えん。
このまま、あかりさんを死なせてやる。
KP
承知いたしました。
それでは。
貴方の予想通り、浅瀬に二人が入っていくとあかりの姿がふと、小さくなっていく。
ひとつ、ひとつ、足をすすめるに従いその姿は海に溶けていき………最後に残ったのは、陽介とつないでいた片方の手だけだった。
伊崎 陽介 「……あかり?」
KP
しかし、それもすぐに溶けて消えてしまうだろう。
そして、鼻も目もなかったが完全にそれが消えてしまう寸前、わずかに笑った気がした。
伊崎 陽介 「どこに……どこにいってしまったんだ、あかり、あかり……」
KP
陽介は、もう姿の見えないあかりをさがすでしょう。
波をかき分け、視線をうろつかせ、手をがむしゃらにさまよわせながら。
百々千翁
「伊崎」
「伊崎、もうやめい」
「あかりさんはもうおらん」
「ニライカナイという場所があれば、きっとあかりさんはそこへ行ったのじゃろう。だがおまえさんにはまだ早すぎる」
伊崎 陽介 「………あかり……」
KP
貴方の言葉を否定するように、陽介はなおも探し続けようとしたのだろうが、不意に波に足を取られたのか、その場に転んでしまうだろう。
すっかり衰弱した陽介にはもうそんな力など残っていなかったのだ。
百々千翁
「伊崎!?」
「東、手伝え! 引き上げるぞ」
東 幸平 「……! は、はい!」
KP
あなた方は協力して、陽介を浅瀬から引き上げ、連れ帰ろうとするだろう。
次第に、あかりを呼ぶ声が小さくなり、風がにわかに荒れ狂う。
森のあちこちから甲高い笛のような音が聞こえて、草花や泥が舞い上がる。
百々千翁 「……なんだ?」
KP このままここにいるのは危ういと感じるだろう。
百々千翁
「東、伊崎を背負え」
「とりあえず、風をしのげるところへ戻るぞ」
東 幸平
「わかりました。
陽介、掴まれ……よっ……と…」
KP 道中に、建物はなく、あなた方は洲鎌家にまで戻ることを余儀なくされるだろう。
百々千翁
洲鎌の夫妻に今の伊崎を見せることになるのか…致し方ない
洲鎌家に戻る
KP
激しい強風を掻き分けるようにして、あなたたちは家へと急いだ。
それから家に帰り着くまで、彼が言葉を発することはなかった。
太陽が昇ってくる。
草木が、鳥が、島が目覚める。動き出した厚い雲の切れ間から、夏の暑い日差しが戻ってくる。
歩き始めて十数分と経たないうちに、あなたたちは洲鎌家へと辿り着いた。
あんなに長く険しかった道のりが嘘だったかのようだ。
これより、エンディングとなります。
なにかやっておきたいことはございますか。
百々千翁 あかりさんの骨は、どうした。伊崎の手にも残っていないか。
KP 塩の粒のようなものは残っているかも知れません。
百々千翁 塩の……
KP
すみません、灰と表現したほうがよかったようです。
(描写を見直した)
百々千翁 ……わかった。伊崎の目の手当をどこかで出来れば、儂はそれで構わん…。
百々千翁 灰か。承知した。
KP 陽介は家につくと、すぐに本島の病院へと搬送されていくことになるでしょう。
百々千翁
そうか…なら助かるか…。
ならば、その灰だけは預かっておこう。儂のしたいことは以上だ。
KP
承知いたしました。
それでは、洲鎌家にたどり着いた後、海食崖であったことを話しても、丈一郎や佳恵は何も言わなかった。
しばらくは二人とも口をつぐんでいたが、昼の船が出る直前になって
洲鎌丈一郎 「それじゃ、気をつけてな」
KP と、丈一郎があなたの背に呟いた。それきりだった。
百々千翁 「……世話になったな、御両人」
KP あなた方は、丈一郎に見送られて洲鎌家をでると、そのまま帰ることになるだろう。
KP あるいは、観光を予定通りしたのかも知れないが、それはまた別のお話である。
百々千翁 なはは。承知した。
KP
こんなことを思い出したのは、東から一枚の写真が届いたからだった。
島を出る前に撮った、港の近くの海岸の写真だ。
よく見ると、その遠く向こうの端に一人の女性が写っていた。
あまりにも遠くに映っていたので、それが誰なのかは分からなかったが、どこか、見覚えがあるような気がした。
ただ、それ以上語ることのない、どこにでもある点景写真だった。
何度か眺めているうちに、いつの間にか女性の姿は消え失せて、縹渺と広がる青い海が写ったただの風景写真になってしまった。
沖縄の病院に入院した伊崎陽介は、毎日を穏やかに過ごしているらしい。
見えるはずのない窓の外の、どこまでも透き通った海を眺めながら。
クトゥルフ神話TRPG
【オウヤサマ】
エンドA
探索者生還にて終了でございます。
百々千翁 ……そうか。
品
ありがとう…ございました…
ひん……
KP お疲れさまでございました。
百々千翁 おそらく、葬送は成らなかったのじゃろうな
KP エンディング後にどうなったか、というのは描かれていないので、いい感じに解釈していただいても大丈夫だと思います。
百々千翁 そうか…いずれにせよ、儂の知る由もないが…
KP そう……ですね、まだ、あかりさんの魂はあの島にいるのではないのかと考えております。
百々千翁 ……どうしてやればよかったんじゃろうなぁ……
KP
【生還報酬】
すべてのエンドにおいて、探索者は 1D6 の正気度を回復する。
百々千翁 解なぞ無いか
百々千翁 1d6 (1D6) > 6
KP そうですね……ほわ! 最大値!
system [ 百々千翁 ] SAN : 71 → 77
百々千翁 割合、好き勝手はさせてもらったな。
KP 誰の気持ちに寄り添って、誰の願いを優先するか、になるかなと思います……ね…
百々千翁 儂のはおそらく、あかりさんの気持ちに寄り添ったルートなのじゃろうか。
東 幸平
お疲れ様、先生。
今回は付き合ってくれてありがとうございました。
百々千翁
いやなに、おまえさんの腕力には助けられたの
あの阿呆を見つけたら、よろしくたのむ
東 幸平
ええ。任せてください。
いつか必ず息子さんに関する情報を見つけてみせます。
百々千翁 ほほ。それは頼もしい。儂も拳の技能値上げて待っておくとするかのう。
東 幸平 げんこつを食らわせるつもりなんですね……。
KP そうですね、陽介さんに今生きている人と生きていってほしい、という願いを伝えた、という点においてあかりさんに寄り添えていたかと……!
百々千翁
当然じゃ あいつのもじゃもじゃ頭なぞこうじゃ こう
CCB<=50 こぶし (1D100<=50) > 28 > 成功
KP クリーンヒットですね……
百々千翁
1d3 (1D3) > 3
よしよし
KP さ、最大値……。
百々千翁 哈哈。儂の手にかかればこんなところよ…
KP
【成長チャレンジ可能技能】(二日分)
目星 1
説得 1
図書館 1
心理学 2
クリチケ1(1d10+3の成長)
百々千翁 はあ。……正直、伊崎が彼女を探しに海の中をさ迷い歩いたのは応えたわい。
百々千翁
CCB<=50 【目星】 (1D100<=50) > 25 > 成功
CCB<=70 【説得】 (1D100<=70) > 32 > 成功
CCB<=75 【図書館】 (1D100<=75) > 11 > スペシャル
x2 CCB<=80 【心理学】 #1
(1D100<=80) > 49 > 成功
#2
(1D100<=80) > 14 > スペシャル
KP なるほど、いえ、でも探してしまうかな、とかんじまして……
百々千翁 ……海は、想定外だったかのう
KP
急にいなくなってしまったからには……
そうですね、その場でど何かが起きる予定でした。
海に行けば、ひとまず融けるだろうなとは思ったのですが
あるいは幽霊のような状態で存在し続けるのかとも思いましたが、それだと陽介が自発的に帰ることはないので……
百々千翁 なるほどのう……
KP とっても…せいこう……!
KP
正気か狂気かわからないなどと書いていましたが、
>呪文を唱え終えた時、彼はわずかな正気とともに両目を失っていた
とあるため、すでにSAN0の状態であったのかも知れません。
百々千翁
……ほうか…伊崎はもう…救えぬか
身につまされる思いとはまさしくこのことよの
まるで他人事の気がせんかったわい
KP
色々と重なる部分があっただろうな……と思います。
喋ってないことはあるのですが(シナリオ内容的に)こちらは購入時のお楽しみにしておいたほうがよろしいでしょうか……
それか、何か知りたいことなどございますか?
百々千翁 ……否。十分じゃ。ありがとう。
KP
承知いたしました。
それでは、予定していた時間も少々過ぎてしまいましたため本日はこれでしめさせていただきたいと思います。
本日は、お越しいただき、本当にありがとうございました。
百々千翁
こちらこそ、大変良い時間を過ごさせていただいた。次は本翅の彩度で会うことになろうか。その時まで、しばしの別れじゃな。
爺のわがままに付き合ってくれてありがとうのう
KP
いえいえ、とんでもありません。
また別シナリオでお会いできることを楽しみにしております……!
その時は若輩者で参りますが、よろしくおねがいします。
193
それでは、お疲れ様でございました。
ログはまたお渡しさせていただきたいと思います。
品 わーい、ありがとうございます!