水槽回顧 夜門由貴編

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KP CoCKPレスシナリオ
『水槽回顧』
所要時間:1時間~
どの時代でも可能
推奨技能:なし
使える技能:目星、聞き耳
非日常の中の日常を、大切な貴方と。

メイン

KP 【はじめに】
 探索者と「大切な人」との日常を「書く」タイプのKPレスシナリオです。
 「大切な人」がいる探索者でプレイすると良いでしょう。「大切な人」は複数人でも可能です。

 「大切な人」は、探索者のうちよそ、既知関係、通過シナリオで出会ったNPCなど、探索者と関係のある人物なら可能です。また、「大切な人」がもう会えなくても、ロスト・永久ロストしていてもプレイが出来ます。
【オススメBGM】
 探索者によってシナリオの雰囲気は十分に変わるでしょう。PLは自身が思った雰囲気に合うBGM、または探索者やうちよそ・既知関係などのイメージソングを用意すると良いです。
 
【導入】
どぷん。
花の、柔らかな甘い香りが鼻をくすぐったかと思うと、ごわごわという耳鳴りがした。眩しさに耐え切れず、あなたは目を閉じる。

夜門由貴 何…… これ……
水……?
………

KP ・・・
・・

ピピピピピピ。
聞き慣れたアラームの音がする。ゆるゆると落ちていた意識が急浮上し、あなたは飛び起きる。朝だ。カーテンから朝日が差し込み、温かな光の筋があなたを照らしている。

夜門由貴 起きなきゃ!
今日は…

KP 今日は、
今日はいつ?取り留めのないいつもの日?仕事?それとも休日?お出かけ?何か約束がある?いつかのやり直したい日?繰り返したい日?記念日?思い出の日?どんな日でも良い。今日はどんな日?
そして、あなたには大切な人がいるはずだ。今はいない?そんなことはない。あなたには大切な人がいたはずだ。

夜門由貴 「うん、いるよ。大切な人。すごく、すごく大切な人」

KP その人は、
その人は恋人?友人?親友?家族?妻?夫?婚約者?子ども?親?兄弟?姉妹?片思い?

夜門由貴 「きっと全部。私の全部…」

KP とにかく、あなたにとって大切な人だ。今日はその人と予定がある。

夜門由貴 「……そうなんだ」

KP 同棲、同居しているならば顔を合わせるだろうし、どこかで待ち合わせをしているなら、あなたはせっせと準備をし、その時間となったらそこに向かうだろう。そんな朝だ。

夜門由貴 「閃理くんとは一緒に暮らしてないから……そうだ! 閃理くん、いつも迎えに来てくれるんだ。朝、苦手なのに……」
「だから、待たせないように準備しなくちゃ」

夜門由貴 「アラームがなってたなら、予定通りの時間のはずだから……」
「昨日の夜、準備は全部済ませておいたはずだから、大丈夫。出しておいた服に着替えて……」
「ちょ、ちょっとだけお化粧してみようかな…… ちょっとだけ」
「それから……」
机の中にしまっておいた小さな箱を取り出す。

KP 君がその箱を取り出すと、金色の細い輪に、赤くきらめく石のついたイヤリングが入っている。

夜門由貴 「……閃理くんが誕生日に送ってくれたイヤリング」

KP 君はほんのりとその顔に、ちょっとした化粧をしたあと、鏡を覗き込みながら最愛の人からのプレゼント身につけた。

夜門由貴 「うん、これでいいかな?」

KP あなたはどんな朝を過ごす?
→A.

夜門由貴 朝早くから迎えに来てくれる閃理くんを待たせないように、手早く! 準備してるよ。

わくわくどきどきの朝だね!
…… 早めに家を出たら、途中で閃理くんに会えるかな。
お家を出るよ。

KP あなたが家を出ると、すいい、と目の前を小さい銀色の何かが横切った気がした。
ごしごしと目を擦っても、今は何もいない。

夜門由貴 ……え?
なんだろう、今の……?
……気のせいかなあ…

KP 君はそれが幻か何かだと思い込み、気にせず歩き出す。

ふわふわとした足取りで、きらきらと降り注ぐ太陽の光の下を歩く。
何して過ごそう?何が起こる?何をする?
→A.

夜門由貴 ええ? どうなんだろう……朝だから… 近所の人に会うのかな?
もうちょっと歩いてたら、閃理くんに会えるかな。

KP 水底から水面を見上げるような、乱反射した太陽の光が差し込む。

雑談

星守 閃理 逸る気持ちを抑えつつ、やや早足で近づいてくるだろうね。

夜門由貴 ほんと! よかった、私に会いたいと思って急いでくれた?

メイン

夜門由貴 ……? あれ、空が……

雑談

星守 閃理 もちろん。
だから、由貴ちゃんが早くに家を出てるなんて思わなくて、きっと驚くだろうな。

メイン

夜門由貴 なんだか、海の底から見上げた、みたいな……

雑談

夜門由貴 私も早く会いたかったんだよ! 早くに出たら、いっぱい一緒にいられるかと思って。

メイン

閃理くん 「 」

KP ゆるゆると落ちていきそうな意識が、大切な人の声で呼び戻される。
いけない、少し微睡んでいた。
大切な人が隣にいる日々が心地良いのだ。

夜門由貴 「……閃理くん? よかった、やっと会えたね」
「会いたかった」

閃理くん 「 」
「             」

KP 時計を見ればお昼時を指している。今は昼だ。

雑談

星守 閃理 ……喋ろうか……?

夜門由貴 うん? ……ふふ、大丈夫だよ。聞こえてるよ

メイン

夜門由貴 あれ? どうして…… いつの間にお昼になったんだろう。
時間が経つの、早いな……

KP 何をする?もう昼を過ごした?だったら別の日でも良い。何をしよう。隣には相も変わらず大切な人がいる。
→A.

夜門由貴 お昼、一緒に食事がしたいな。
あんまりお腹が重くならないヤツのほうがいいかな? 閃理くんがお腹いっぱいになっても、私が食べてあげられるけど
そうだ、近くにクレープ屋さんが出来たから、一緒に行きたいの。

雑談

星守 閃理 それなら尚更、僕はお昼は軽めにしたいかな。

夜門由貴 そうだね! 食い倒れツアーになっちゃう

メイン

夜門由貴 閃理くんは何が好きかな…チョコ? ツナが入ったやつ?
私はいちごとバナナと生クリームの入ったやつだから…… ちょっと甘すぎるかな…… 先に一口あげるね

雑談

星守 閃理 お昼後に食べるなら、おかず系よりはバターシュガーかな。(具が無いやつ……)

夜門由貴 へえ! いいね!
バターシュガークレープ食べてる閃理くんもかわいいよ!

メイン

夜門由貴 「バターシュガー? うん、わかった。すみませーん!」
「ねえねえ、一口だけあげるから、一口食べさせて。お先にどうぞ!」

閃理くん 「          」
「      」

夜門由貴 「うん、ありがとう!」
それからも、一緒に…… そうだなあ、ここはショッピングモール……かな?
お洋服のお店とか、小物とか、いろいろみてまわろうかな
私、閃理くんがいろんなお洋服着てるの見たい!

KP ……では、君はここで目星を振る。

夜門由貴 ……急だね。
CCB<=76 【目星】
Cthulhu : (1D100<=76) > 95 > 失敗
………

雑談

星守 閃理 あっ……
ファンブルじゃないからセーフ!

夜門由貴 そ……そうだよね!
うん! がんばる!

メイン

KP 失敗→大切な人の髪に糸くずが付いているのを見つける。
→A.

夜門由貴 「あっ、ねえねえ、閃理くん、髪に糸くずついてる」
「とってあげるから、じっとしててね」
「はい、取れました」

閃理くん 「     」

雑談

星守 閃理 わ、ごめん、ありがとう…

夜門由貴 へへ…

メイン

夜門由貴 「どういたしまして!」

KP 時間というものは、例え嫌でも、止まることなく流れていく。
聞き耳だ。

夜門由貴 CCB<=65 【聞き耳】
Cthulhu : (1D100<=65) > 23 > 成功

雑談

夜門由貴 やった!

メイン

KP 「  」
ゴボゴボと篭ったような耳鳴りがする。大切な人を見れば、何かを言った気がするが聞き取れなかった。大切な人は少し困ったように笑う。

夜門由貴 「……閃理くん? どうしたの?」
「……」
手を握る

閃理くん 「  」

夜門由貴 「ずっと、遊んでいられたらいいのに………」

KP あたりを見渡せば、だいぶ日が傾いており、オレンジ色が空を染めていた。
日暮れだ。
何をして過ごそう。

家に帰る?どこかに出掛ける?スーパー?ホテル?レストラン?夜景の見える場所でも良い。
その為に移動をする?もう夕暮れを過ごしたのなら、別の日でも良い。大切な人と何をしよう。
→A.

夜門由貴 ……残念だけど、夕方になったらおうちに帰らなくちゃ。閃理くんと手をつないで家に帰る。
「閃理くん、今日は楽しかったね。久しぶりに遊びに来られて嬉しかった」
……閃理くんの手、大きいな。
私が、大きいって思ってたからかも。
そろそろ夜が来るね。星を探しながら、帰るのかな。

雑談

星守 閃理 由貴ちゃんも綺麗な手をしているよね。
ずっと握っていたくなる。

メイン

夜門由貴 「閃理くん、一番星だよ。……えっ? ほんとだ」

雑談

夜門由貴 ええ? ……ほんと?
なんだか… ええ~照れちゃうな…

メイン

夜門由貴 閃理くんに言われて振り返ると、もう他に星が光ってたんだ。

閃理くん 「僕のほうが先に、見つけたみたいだね」

夜門由貴 「ふふ、閃理くん、星を見つけるのがうまいね」

KP ……思い思いの日を過ごし、もうすぐ夜がやってくる。
目星をどうぞ。

夜門由貴 CCB<=76 【目星】
Cthulhu : (1D100<=76) > 2 > 決定的成功/スペシャル

雑談

夜門由貴
わぁ!!

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system [ 夜門由貴 ] CT : 0 → 1

KP あなたは1冊の本に目がいく。

雑談

星守 閃理 クリティカル!すごいね由貴ちゃん!

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夜門由貴 ……? 家に、帰ってきたんだっけ。

雑談

夜門由貴 うん! やったー! 嬉しい!

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夜門由貴 とにかく……そうだね、自分の部屋の本棚に変なものがあったら、気にするかな

KP それは本棚に入っているものかもしれないし、机の上に置いてあるものかもしれない。はたまた誰かの置き忘れであるかもしれない。それが気になり、あなたはページをめくってみる。

情報

KP 「走馬灯」
 死の間際に、これまでの人生の様々な思い出が映像として見える体験は、日本では「走馬灯」と呼ばれています。
 大抵このような臨死体験はオカルトやスピリチュアルなものとされがちですが、実際には脳の防御機制「解離」と密接に関連した生物学的現象であるといわれています。そう言えるのは、死に瀕した人が誰でもこの現象を体験するわけではないからです。

 調べによると、瀕死状態を体験し生還した人たちのうち、走馬灯を体験したのは、「故意ではない突然の死の危機」に晒された人に多く起こっているということが分かっています。また、走馬灯を見た人たちのほとんどは「もうすぐ死ぬ」という確信を抱いていました。

 また、走馬灯は、自分の過去の様子や、あるいは未来の様子までもが、次々に目の前に映し出されたと述べています。

メイン

夜門由貴 ……もうすぐ、しぬ?

雑談

夜門由貴 私、もう……

メイン

KP 急に息が苦しくなり、大きく息を吸う。

雑談

星守 閃理 死…………????

メイン

夜門由貴 ……!

雑談

夜門由貴 私、死…… ん

メイン

夜門由貴 「はーっ……」

KP ぷかりと浮かんだ気泡は、空に向かって消えていった。ノイズが走ったかのように、世界が大きく揺らいだ気がした。

夜門由貴 あ、… もし、ここが水の中なら、今…

KP 隣では――そうな顔をした大切な人がこちらを見ている。
隣では心配そうな顔をした大切な人がこちらを見ている。
隣では悲しそうな顔をした大切な人がこちらを見ている。

夜門由貴 ……? ど して… そんな顔…

雑談

星守 閃理 由貴ちゃん、由貴ちゃん……

メイン

夜門由貴  

KP 不鮮明だった意識が、ふと戻る。

夜門由貴 「……? あれ、私… どうかした?」

KP あなたが大切な人に問えば、何事もなかったかのように首をかしげた。

雑談

夜門由貴 ……あれ? 私、どうかした?

星守 閃理 え? 何もないけど、何かあった?

メイン

夜門由貴 「……そっか…」

KP 日は沈み、夜の帳が下りる。何をして過ごそう。ディナーは済んだ?どこかへ出かける?家へ帰る?一緒に泊まる?もう夜を過ごした?だったら、別の夜でも良い。大切な人と何をして過ごそう。
→A.

夜門由貴 「……閃理くんは今日、泊まらないの?」
腕をきゅっとつまむ。

雑談

星守 閃理 泊まっていいなら、泊まろうかな

夜門由貴 ほんと!? やった!

メイン

夜門由貴 「やった! 兄さんも用があるって行ってたもんね」
「じゃあ眠るまで、一緒にいてね。あ、ねえねえテレビ見ようよ。面白いやつがね…」
そうやって、夜までテレビを見たり、お勉強見てもらったりして、眠りたい。

KP 日はとっぷりと沈み、生き物たちは息を潜め、夜の濃藍色がとろりと世界を満たす。

銀色の月明かりを乗せる水のせせらぎだけが、時の流れを感じさせていた。

雑談

星守 閃理 お休みの日もちゃんと時間決めて勉強して、えらいね、由貴ちゃん

夜門由貴 ふふー! そうしようねって言ってくれたの閃理くんだったよね! 閃理くんの真似っこしてるの!

メイン

夜門由貴  
……なんだか、水を近くに感じるなあ…

KP もうすぐ深夜だ。朝は来るのだろうか。果てしなく続く闇があなたを手招いている。
 あなたは何をして過ごす?隣には相も変わらず大切な人がいてくれている。
→A.

夜門由貴 閃理くんがいてくれるなら、どこまでもいくよ。
……でも…
これは……

KP 〈目星〉または〈聞き耳〉が振れる。

夜門由貴 CCB<=76 【目星】
Cthulhu : (1D100<=76) > 52 > 成功

KP 大切な人が酷く悲しそうに笑った。

ぶわりと花の芳香が漂う。脳が蕩けるようだ。眠気のせいなのか、意識がふわりふわりと、宙を漂う。

夜門由貴 ……また、花の匂い
どうして、そんな顔で笑うの?

KP 「 」
と、大切な人が言う。あなたはその声が聞こえただろうか。

夜門由貴 ……聞き耳は?

KP その指示はない。あるいは、さっきのダイスロールがそうだったのかもね。
大切な人が何かを差し出した。その手は水に濡れたかのようにひんやりと冷たい。
あなたは大切な人から目線を外し、手の中のそれを見る。それは羊皮紙のようだ。

情報

KP 「ヴルトゥーム」
 火星の地下深くの洞窟に住んでいるとされており、千年の休眠期と千年の活動期の終わりなき循環を送る神。
 この神や、この神の故郷の化石化した花は、甘い香りのする催眠性の薬物を生成する。この芳香は対象に楽園のような光景の鮮明な幻覚を見せる。この神の声は信じられないほど感じが良く、明瞭と朗々としたもので、その本質を覆い隠している。

メイン

KP この知識に触れたことによるSAN値チェック 1/1d5
クトゥルフ神話技能+1

夜門由貴 CCB<=24 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=24) > 48 > 失敗
1d5
Cthulhu : (1D5) > 5
CCB<=70 【アイデア】
Cthulhu : (1D100<=70) > 12 > スペシャル

system [ 夜門由貴 ] SAN : 24 → 19

雑談

星守 閃理 あっ……
今気付いたけどSAN値…………

夜門由貴 ふていだ

メイン

KP ううん……ここで逃げ出されてもな
狂気のページを見るから少し待たれよ

雑談

夜門由貴 まさか最大値引くとは思わなかったの

星守 閃理 SAN値10代……

メイン

KP 不定の狂気はあとね!
では貴方は強烈な違和感に襲われる。もっと大切な人と一緒にいたいのに、まだこの場所にいたいのに、
だのに、いましがた目にした奇妙な文章が頭に貼り付いて離れない。ここは、この場所は……あの匂いは…
あなたは違和感に気がついてしまう。随分前に違和感があることは気がついていた。
それでも、大切な人との日々を過ごすことを選んでいる。

いつ非日常があなたに襲いかかるか分からない日常の中で、大切な人と過ごすこの日々がどうしようもなく愛おしいのだ。
それは呼吸が出来ない水の中と同じだろう。大切な人の存在が唯一あなたを生かしてくれる酸素だ。
「      」
大切な人が何かを言うが、あなたには届かない。

夜門由貴 「……………」

KP あなたがこの違和感に気がつけば、この大切な人との「日常」が終わってしまうかもしれない。今ならまだ続きが見られる。この違和感を無視して、夜を迎えれば、この続きが見られる。

夜門由貴 そんなの、わかってる……

KP  大切な人が手招きをし、あなたを眠りに誘う。

夜門由貴 でも、私……

雑談

星守 閃理 由貴ちゃん?

夜門由貴 ………

メイン

夜門由貴 閃理くんが、こんなにおかしな世界に気が付かないままでいるはずがないこと、わかってる。

KP あなたは気がつく。
この世界は、大切な人は、どこか違和感がある。

夜門由貴 閃理くんは、すごく、すごく優しいけど。
この閃理くんは、きっと、永遠に私のそばにいてくれる……けど……
でもそれは、閃理くんじゃない……

KP 頭がズキリと痛んだ。大切な人があなたを見るが、その顔は水中にいるかのようにぼやけている。
目を覚ましたくないと、心のどこかで思うかもしれない。ごぼり、と口から気泡が漏れた。
〈アイデア〉を振ってごらん。

夜門由貴 CCB<=70 【アイデア】
Cthulhu : (1D100<=70) > 73 > 失敗

KP 再びズキリと頭が痛む。
甘い匂いと水が流れる音がする。
何かを思い出せそうだったが思い出すことが出来ない。
しかし、この世界に違和感があるのは明白だ。
これは、ここは、どこなのだろうか。自分は何を見ているのだろうか。何を見ていたのだろうか。
これは、
あなたは気がつく。これは、
A.これは「続いて欲しかった現在」だ
これは、続いて欲しかった現在だ。
こうあってほしかった、夢にまで見た現在だ。
あなたが望んだ、しかし、本物ではない現在だ。

夜門由貴 「う……」

KP あなたはこの日々を過ごしたかった。
日常が続くと思っていた。
 

夜門由貴 「うう……」

KP しかし、そうできないことを知っている。
あなたの目からは自然と涙が零れる。
銀色の粒が闇に溶ける。
人生最後の瞬間。脳裏に映るは叶えられなかった願い。
これが現実であったらどんなにいいことか。
しかし、あなたはこれが現実ではないことを知っている。
あなたは、
目を覚まさなくてはいけない

夜門由貴 でも、私、私は……

KP あなたの意識は夢から覚めるように急浮上を始める。
遙か頭上に銀色の水面がたゆたっている。
ごぼりと、口から気泡が零れ、水が呼吸を妨げる。
とてつもない息苦しさを自覚し、懸命に手を伸ばす。衣服はふんだんに水を含み、重たくのしかかる。

夜門由貴 「!?」

KP  命の危機に瀕していることを自覚しSAN値チェック 1/1d4

夜門由貴 CCB<=19 【SANチェック】
Cthulhu : (1D100<=19) > 69 > 失敗
1d4
Cthulhu : (1D4) > 2

system [ 夜門由貴 ] SAN : 19 → 17

KP 水面に誰かの影が映った気がした。

夜門由貴 誰……? 閃理…くん?

KP あなたはそれに手を伸ばす。
あなたは何かを掴んだ気がした。
ぐん、と身体が持ち上げられる感覚。
視界が開ける。
激しく咳き込み、空気を思い切り吸い込む。くらくらとする視界が少しずつ定まってくる。
 身体が震え、あと少し遅かったならば、とあなたは頭の隅で考えるかもしれない。

夜門由貴 「う、げほ、けほ…っ」

KP バッと顔を上げる。微かな気配に顔を上げた。
あなたはその朧気な意識の中、大切な人の姿を見た気がしたのだ。
しかし、そこには誰もいない。ぶわりと、優しい風があなたの頬を撫で、髪を掬う。

夜門由貴 「……いない」

雑談

星守 閃理 由貴ちゃん……
いるよ……

メイン

夜門由貴 「………帰らなくちゃ」

KP 立ち去ろうとしたあなたの足下で、パキリと、何かが割れた音がした。

そちらを見れば、化石化した花が砕けて落ちているのが分かる。その芳香があなたの鼻をかすめる。
〈自身のPOWと「5」との抵抗判定〉

夜門由貴 Cthulhu : (1d100<=5) > 9 > 失敗
あ、ぎゃくだ
RESB(14-5) POW対抗
Cthulhu : (1d100<=95) > 96 > 致命的失敗
?!?
まって、くりちけ…

KP お、おお……いいよ?

夜門由貴 RESB(14-5) POW対抗
Cthulhu : (1d100<=95) > 79 > 成功

system [ 夜門由貴 ] CT : 1 → 0

雑談

星守 閃理 危なかった……

夜門由貴 致命的失敗するなんて…… う、運が悪い…

メイン

KP 何はともあれ、あなたは「不幸な事故」から逃れ、日常に還って来られた。

もしかしたら、今は会えない、あなたの大切な人が守ってくれたのかもしれない。

夜門由貴 「閃理くん……」
「どうしたら、会えるのかわからないけど…」

雑談

星守 閃理 ……本当に守るなら、ちゃんと最初から守れよって話だよな……

メイン

夜門由貴 「また、会いたいな…」

雑談

夜門由貴 もう!!! ネガティブ!!!
いつも守ってくれてるよ!

メイン

KP 楽園も、大切な人の影ももはや存在しない。
貴方の声だけが、その場にぽつりと残った。
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END A「水葬回顧」生還
・生還 1d6
・「日常」を送った 1d3

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〈POW〉対抗
成功:SAN値回復 1d3
失敗:後遺症「ヴルトゥームの奴隷」 1d3ヶ月の間、ヴルトゥームの信者になる。その存在そのものを信じ崇め、ヴルトゥームが登場するシナリオに参加した場合、ヴルトゥームの言うことを聞かなければならない。詳しい解釈はKPまたはPLに委ねる。
シナリオクリアです、おめでとう。

雑談

星守 閃理 よかった……おかえり、由貴ちゃん

夜門由貴 ぐすん…… ただいま、閃理くん。

メイン

夜門由貴 POW対抗…… ヴルトゥームの奴隷?

KP さっきの花の……やつだね。

夜門由貴 そんなの信じたくないよ。
私は私が信じたいものだけ信じたい。

情報

KP 【シナリオ背景】
以前、ヴルトゥームを崇拝する教団が存在していた。教団はヴルトゥームの故郷の化石化した花から発せられる幻覚物質により、植物園に人を集め、信者を増やそうとしていた。しかし、教団は既に衰退しており、その機能だけが植物園に残っていた。
 探索者はとある日、幻覚作用によりその植物園に迷い込んでしまう。迷い込んだ探索者はそこを流れる川(池)に足を滑らせ落ちてしまう。花の幻覚作用と、死ぬ間際の走馬灯が合わさり、探索者は大切な人との思い出や夢みる未来、はたまた独り善がりの妄想の夢を見ることになる。
 しかし、その川はドリームランドの川の神オウクラノスの流域と繋がりがあり、オウクラノスは自身の流域で邪悪な意図を持っていた機能で人が死ぬことを良しとしなかった。水を介し、探索者に目を覚まさせる手助けをする。
 探索者は恐ろしく優しい夢から目を覚ますことは出来るのだろうか。


 このシナリオの「大切な人」は、探索者の夢・走馬灯・幻覚・妄想であるため、探索者の理想・想像の「大切な人」であると言える。そのため、「大切な人」の本当の自我などはないKPレスという形のシナリオになっている。
【END A】
 生還。本当に大切な人が助けてくれたのかもしれないし、そうでないかもしれない。詳細はPLに委ねるため、自由に想像してもらって構わない。

メイン

夜門由貴 1d10 不定の狂気
Cthulhu : (1D10) > 1
シツゴショウ…
1d10 不定の狂気 期間
Cthulhu : (1D10) > 7
七ヶ月…

雑談

星守 閃理 長い……

夜門由貴 閃理くんと会えたとしても、七ヶ月、おしゃべりできないんだね

星守 閃理 他にもコミュニケーション手段はいろいろあるよ。
(健忘症かと思って焦った顔)

夜門由貴 ほんと? 健忘症…だっけ?
手元に本がなかったから、検索して出てきたやつを見て決めたんだけど…
ううん、でも閃理くんのことを忘れたりしたくないな…

星守 閃理 (三日間ほど由貴ちゃんの事を忘れていました、の札を無言で首からさげる)

夜門由貴 そうなんだ……… いいよ、私が覚えてるよ
じゃあ、言葉以外で……いっぱいおしゃべりしてね

星守 閃理 うん。僕がその分沢山話す。
あ……受験、面接、大丈夫なのかな……ちゃんと病院にも行こうね。

夜門由貴 びょういん…
うん、頑張って学校帰りに通うね。
(閃理くんと一緒にいる時間、ちょっとになっちゃうな…)

星守 閃理 付き添える日は僕も付き添うよ。一緒に乗り越えられるように。

夜門由貴 えっ、でも…… ……本当?
そうしたら… うん、頑張れそう